WBC予選リーグは日本が全勝で突破という最高の形になった。
これまで予選リーグは毎度毎度苦しい戦いが多く、今回も強力打線のオランダ、絶好調のイスラエルと苦戦が予想されたが結果としては全勝。
日本野球は他国の代表と一体何が違うのだろうか?
侍ジャパンの強さ
投手力と完成度
侍ジャパンの強さは何と言っても投手力。
予選2次リーグ。オランダ戦に先発した石川、キューバ戦に先発した菅野はことごとく痛打を浴びた。
特にキューバ戦に先発した巨人菅野は侍ジャパンの絶対的エースと思われていただけに、4回4失点での降板というのは不本意だったはずだ。
しかし侍ジャパンの強さはここから。
例え先発をノックアウトしたとしても次から次へと好投手が出てくる。
平野、則本、千賀のようなパワーピッチャーもいれば、宮西、秋吉、牧田のようなコントロール主体の変則型もいる。
柔軟性と強さを兼ね備えた日本の投手陣は圧倒的なパフォーマンスを見せてくれた。
かつて野球王国と呼ばれたキューバも、強力打線が売りのオランダも、今大会躍進を見せたイスラエルも野球で一番大事な投手陣の整備が遅れていた。てゆーか、タレント不足だったのだろう。
決勝リーグ進出へ負けられない立場のイスラエルは、クローザーのザイドを先発に器用する荒業を見せた。
ザイドは毎回ランナーを背負う苦しいピッチングとなったが、要所はキッチリと締め無失点で後のピッチャーにバトンを繋いだ。
しかしその後のピッチャーが侍打線を抑えきることは出来ない。
6回裏、4番筒香のホームランで火がついた侍は、一気に集中砲火を浴びせイスラエルの士気を消沈させてしまった。
キューバもオランダもピッチャーの枚数が絶対的に足りていなかった。
一方の侍ジャパンは、石川がノックアウトされても、菅野がノックアウトされても、次に出て来るピッチャーが試合をもう一度作り直す事が出来る。
これが日本と予選で敗れたチームとの大きな差なんだろう。
第4回WBCからピッチャーの投球数は大きく制限がかかった。
先発投手は1次リーグでは65球、2次リーグでは80球、決勝では95球。
30球以上投げたピッチャーや連投したピッチャーは中一日開けないと投げることは出来ない。
この厳しい投球制限があるからこそ、WBCは投手陣の総合力が無ければ勝ち抜くことは出来ないのだ。
かつて高校野球では1人のスーパーエースがいれば勝ち抜ける時代が合った。
野球とはチームプレーでありながらも個人競技的な側面も持っている。そんな複雑なスポーツ。
だが今回のWBCで野球というスポーツが真のチームプレーであることが立証された。
強力打線と一人のエースがいればそこそこ勝ち上がれる。そんな時代ではない。
どれだけ駒を揃えた分厚い投手陣を形成できるか?それがこれからのWBCで勝ち上がっていく要件になる。
侍ジャパンが全勝で勝ち上がれた理由は、唯一それを達成出来たチームだったからだ。