祝!坂本勇人2000本安打達成!【キャプテン坂本が描いた華麗なる軌跡】


2020年11月8日 ついに巨人坂本勇人が2,000本安打を達成した

史上2番目の若さで2,000本達成、右打者では史上最速。

坂本は野球史に燦然と輝く歴史を刻み込んだ。

あのヒョロヒョロに細かった坂本がまさかここまでのレジェンドになるとは・・・

坂本勇人2,000本安打達成

ドラフト外れ1位

2006年ドラフト会議。

当時オレはいつものようにオフィスでディスプレイを睨みつけていた。

金融系のサーバ管理をやっていたあの頃、あまり今のように野球に没頭するほどハマってはいなかった。

だからその日がドラフト会議なんてこともスッカリ忘れていた。

とはいえ、甲子園を沸かせた田中将大がどの球団に指名されるのか?くらいの興味は持ち合わせていたし、巨人が田中を指名しない方向なのは知っていた。

ドラフトが始まると、隣のチームの野球好きのSEが、仕事をサボりYahoo!のドラフト速報を見始めた。

当時は大学・社会人と高校生ドラフトが分かれていたが、その高校生ドラフトの1位決まった瞬間、隣のおサボりSEが大声でこう言った。

巨人ドラ1光星学院の坂本だってよ~w 誰だよそれww

あぁ、なんだまた巨人はドラ1外したのか・・・

光星学院の坂本・・・誰だよそれ。

巨人ファンに限らず坂本勇人の名前を知っていた野球ファンは、かなりの高校野球マニアだろう。

それくらい坂本勇人の名は未知なる存在だった。

千載一遇のチャンスをモノにする

ドラフト後、最初に高校生1位の坂本の姿を見た時の正直な感想は「ヒョロヒョロだなぁ~」だったw

身長186cmと上背はあるが、いかんせん細過ぎる。

こんな細い選手が大成するんかいな?ホントにドラ1でええんかいな?

坂本の上位での指名には大きな「?」がずっと頭から離れなかった。

そんな坂本勇人にプロ入り2年目、千載一遇のチャンスが訪れる。

長く正遊撃手を務めていた二岡が、あろうことかフリーアナウンサーのモ〇とホテルで不倫をしてしまったのだ!!

・・・イヤそれは時系列的に間違っている!

訂正)

長らく正遊撃手を務めいた二岡が開幕戦で故障を発症し戦線を離脱してしまった。

そのポッカリ空いた穴埋めに白羽の矢が立ったのは、まだ2年目の坂本勇人だった。

開幕戦はセカンドで出場した坂本だったが、翌日から本職のショートにコンバートされ連日試合に出続けた。

まだまだ隙のある荒いバッティングと未完成の守備力でいろいろと批判を浴びることもあったが、坂本は見事に1年間レギュラーの座を守り切り自ら坂本伝説の幕を開けた。

何より坂本に運があったのは、当時の巨人メンバーの充実ぶり。

1番高橋由伸にはじまり、小笠原、ラミレス、李スンヨプ、阿部慎之助、谷と切れ目のない打線を組んでいた。

だからこそまだまだ発展途上の坂本勇人を8番ショートで1年間使い続けることが出来た。

本物のスター選手は、こんな幸運も身に着けているモノなのだ。

低迷期

プロ入り3年目となるシーズンには、早くも打撃が開花し打率3割を達成。

2012年には初のタイトルとなる最多安打を獲得し、順風満帆にスター街道を驀進するはずだった。

しかし、そこから坂本勇人の眩いばかりの輝きに陰りが見えるようになってしまう。

2013年から3年間、坂本は打率2割6分程度、ホームラン10数本と、決して悪くはないが、正直並みの選手のような成績しか残すことが出来なかった。

坂本勇人はこんなレベルで打ち止めなのか?

坂本勇人は早熟だったんじゃないのか?

そんな、不安が巨人ファンの中によぎった3年間だった。

だが、誰にでも低迷する時期はある。

その3年間は、坂本勇人にとって高く飛びあがるための助走期間に過ぎなかったのかもしれない。

2015年、坂本勇人は正真正銘「覚醒」してみせた。

開幕から打率トップをひた走り、最終的に打率344という高打率で首位打者を獲得。

ショートではセ・リーグ史上初の首位打者という離れ業をやってのけてくれたのだ。

黄金期から未知なる領域へ

首位打者を取り本格化した坂本の打撃は、年々凄みをましていく。

2018年にはキャリアハイとなる打率345をマークし、2019年にはあの長嶋茂雄も原辰徳も達成できなかった右打者でのシーズン40本塁打を記録する。

そして2020年には、史上最年少での2,000本安打・・・が達成されるはずだったが、コロナウイルスの影響で史上最年少の夢は儚くも断たれてしまう。

特別な年となった2020年、シーズン前2度のインフルエンザに加え、まさかのPCR検査陽性という3重苦を患った坂本のバットは本来の軌道を取り戻せない。

捉えたはずの打球が力なく上がっていく様子を見て、なんども坂本は首を傾げていた。

何かが違う、いつもと違う、頭では分かっているのに身体がついてこない。

そんな苦しい前半戦を乗り越えて坂本はキャプテンとしてチームを2連覇に導いた。

後は自分の責務を全うするだけ。

今シーズン中に2,000本のノルマを達成するだけ。

疲労も溜まっているだろう、万全の体調ではないだろう。

だが坂本は一言も弱音を吐かず、見事シーズン中に2,000本安打をしかも本拠地東京ドームで完成させてくれたのだ。

 

2006年、あのヒョロヒョロに細かったドラ1が、ここまで大きくなる姿を誰が予想していただろうか?

坂本勇人をドラ1で指名した当時のスカウト陣に心から敬意を表したい。

坂本勇人はまだ31歳。

コレからさらに偉大な伝説を築き上げていくかもしれない。

オレ達は、今生きる伝説を目の当たりにしているのだ。

数年後、祝!坂本勇人3,000本達成!という記事が書ける日を妄想しながら過ごせる幸せに感謝したい。