首位広島とは8ゲーム差。
一時は5.5ゲームさまで縮まったが、今年の広島は地力があるためまた広げられてしまった。
しかし本当に苦しいのはここからだ。この3連戦をスイープすればまだわずかな可能性がある。
もしスイープ出来なければ・・・目標はCSに移り変わる。
絶対に負けられない闘い。キーマンは走塁の神鈴木尚広だ。
鈴木尚広って
激戦区を生き抜く
特段目立った成績も残していないが、巨人スカウトの目に止まりドラフト4位で巨人に入団。
入団当初は故障しやすい体質だったが、徐々に頭角を現し一時はレギュラーの座を掴む位置まで辿り着いた。
だが巨人の外野陣はさすがに層が厚すぎた。
年々出場機会を減らし、いつしかゲーム終盤の守備固めと代走が定位置になってしまった。
んがしかし、その代走を本職にしてしまい、チームに絶対無二の存在まで押し上げたのは神がかり的な走塁力だ。
鈴木尚広は、プロとして生きていくために、巨人の外野という激戦区を生き抜くために、走力という面だけに特化し磨きをかけ続けた。
誰よりも早くグラウンドに入り、入念にストレッチを行い、ここぞという一瞬のためだけにただひたすら準備を続ける。
まさにプロ中のプロ。本物中の本物だ。
僅差のゲーム
巨人対広島の首位攻防戦。
先発予想は巨人マイコラス、広島ジョンソン。
この先発投手で大量得点は望めない。
恐らく首位攻防戦らしい競った試合になることが予想される。
となるとゲーム終盤どうしても1点を奪いたいシチュエーションが出てくるはずだ。
僅差のゲームの終盤、ビリビリとした緊張感、そこで巨人が切り出すカードは鈴木尚広だ。
ピリピリと張り詰めた空気、もし盗塁を失敗したらチャンスはあっさり消えてしまう。
そんな緊張感をモノともせず、鈴木は涼しい顔で盗塁を成功させる。
そして犠打で三塁へ進み、ボテボテの内野ゴロで1点を奪う。
これは巨人にしか出来ない、いや鈴木にしか出来ないお家芸だろう。
他の球団には絶対に無いピース、走塁のスペシャリストというジョーカーを巨人だけが持っているのだ。
競ったゲームほど何枚切り札を持っているかが勝敗を分ける。
今年の巨人には打の由伸というジョーカーを失ったが、走の鈴木尚広というジョーカーは健在だ。
ビリビリの緊張感の中、必ずこの男は1点を奪ってきてくれる。
その1点こそが奇跡の逆転劇への架け橋になるはずだ!
広島は残り30試合を切って首位を走る苦しさをまだ知らない。
ゴール直前のあと数試合がどれだけ苦しいのかまだ知らない。
この苦しい時ほど経験豊富なベテランの力が必要になる。
ジョーカー鈴木尚広が、必ずや勝利を引き込んでくれるとオレは信じている。