13連敗が止まったと思ったらまたもや2連敗。
だが13連敗中の負けよりも、広島カープにズタボロにやられた時の負けよりも、ショックで虚しさを覚えたのは昨日の北海道日本ハムファイターズ戦だった。
巨人の息の根を止めたのは、かつての同僚大田泰示。あの大田泰示に、マウント状態でコレでもかとばかりにタコ殴りにされた。悔しいよ、虚しいよ。なんで大田泰示は今になって目を覚ましたんだ。
大田泰示を眠らせていたもの
反抗期
手前味噌ながら我が家の娘は今年で11歳。あんなに小さかった赤ちゃんが、もう一端の小学生の高学年。あと1年も経てばJC。時間の流れなんてあっという間だ。
そんな娘が先日初めてパパに反抗してきた。
パパなんかにわからないから黙ってて!!
そんな言い方することないだろ。。
そう娘もついに反抗期というやつに入ってきたようだ。
そういえば、オレも若い頃反抗期で親に口答えしていたもんだ。そんな時、いつも両親は悲しそうな顔でオレのことを見ていたね。
可愛がっていた子供に噛みつかれる。こんな悲しいことはない。親になってみて初めて分かるもんなんだ。
かつての飼い犬に手を噛まれる。かつての飼い猫に引っかかれる。かつてのドラフト1位にボコボコに打たれる。そんな切ない思いで約日の日本ハム戦を見つめていた。
巨人という重圧
毎年キャンプが始まるとスポーツ紙の見出しにはこんな言葉で埋め尽くされた。
今年こそはブレイクだ!確実性を上げた打法でレギュラー奪取!新四番はオレしかいない!プロ入り○年目!今年がラストチャンス!
キャンプ、オープン戦といつも今シーズンの飛躍を期待させてくれる大田泰示。
しかし、シーズン開幕前になるとやれ風邪を引いただとか、どこかが肉離れになっただとか、結局本番にアジャスト出来たことはほとんどなかった。
桜の花びらのように、春が過ぎれば散っていく。そんな儚い存在だった大田泰示。
そして日本ハムに移籍した今年もお決まりの肉離れで開幕を棒に振り、やっぱり大田は変わらない。移籍したって変わらない。これが大田だよ。そう思われていたはずだ。
それがケガから復帰すると、目の覚めるような活躍を見せ始めた。
プロ入り8年で9本しかホームランを打っていなかった男が、則本、涌井、バンデンハークと各球団のエース級から貴重なホームランを放つ。しかも古巣巨人との対戦では10打数7安打。2ホーマー。
ついに長い眠りから目を覚ましたのだ。本当に、本当にパッチリと目を覚ました。
巨人ファンは皆思う。なんで、もう一年早く目を覚ましてくれなかったんだ。
大田泰示が目を醒まさなかった理由?そんなの簡単だよ!巨人の重圧だろ。
思えば入団と同時に松井秀喜が背負っていた背番号55という超絶なプレッシャーを背負わされた。
当然のことながら巨人ファンは、高卒ルーキーの大田に松井秀喜の姿をダブらせる。
でも、それもプロ入り数年間までの話。5年も経てば巨人ファンも大田が松井とは違うことは分かっていた。背番号も松井の55から山本功児(古っ)の44へと変更された。
巨人在籍時の晩年は、それほど過度な重圧はかけてなかったはずだよ。
でもやはり巨人という重圧は大田泰示には重すぎたんだろう。
ちょっと結果がでなければ外される。ちょっとミスれば叩かれる。いつもいつも戦犯扱いだ。
そんな堅苦しい、重苦しい都会の生活に疲れてしまったんだろう。
大田泰示は、北海道でリフレッシュされついに冬眠から醒めることが出来た。Iターン転職を見事に成功させたんだ。
8年間眠りから醒めることを期待していたオレ達は今の大田の姿が微笑ましい。でもでもね。。やっぱり巨人で目を覚まして欲しかった。目を醒まさないのならずっと寝ていて欲しかった。
そんな切なさを感じた6月11日の日曜日だった。