巨人開幕スタメン落ちの村田修一は必ずや鋼鉄のメンタルで復権する


開幕から巨人が2連勝とロケットスタートを切る気配が出てきた。

オープン戦1割台に泣いた貧打が4番阿部慎之助の大爆発で一気にチャラになってしまった。

さすが実力者揃いのジャイアンツ。本番になればこんなもんだよ。

と、喜んでばかりはいられない。スターティングメンバーにかつて原前監督が巨人の枢軸と読んだ四天王の人ライが欠けている。

村田修一。

ベンチウォーマーとして開幕を迎えた村田の心境はどうなんだろうか?

スタメンは村田修一か?

村田の心境

横浜時代は不動の四番打者としてチームを引っ張った男。

第2回WBCでは侍ジャパンの4番に抜擢されるほど当時の村田の存在感は際立っていた。

2度のホームラン王にも輝いた村田は、勝てるチーム、優勝を狙えるチームを求めて巨人へFA移籍。

しかし、巨人移籍後の村田の評価は散々だった。

打順を8番に落とされたり、ゲームの途中で帰宅させられたり。。

村田のキャリアハイは2008年。46本塁打で2年連続ホームラン王を獲得し、打率も3割を超えた。

だがその後横浜での3年間は、打率2割5分、ホームランも20本程度の成績に留まった。

そして巨人移籍後の村田は、横浜在籍最後の3年間と対して変わらない成績だった。

なのに巨人では散々な評価。ただそれも仕方のないことかもしれない。

FAで移籍した選手は、キャリアハイを記録した頃の姿をどうしても求められてしまう。

今シーズン、オリックスからFAで糸井を獲得した阪神タイガースの金本監督は、会見の席でキャリアハイを超える活躍を見せて欲しいとコメントした。

みんな全盛期の姿、いやそれ以上の姿を追い求めるのだ。

ただチームが変わっただけで、全盛期を超えられるのならそんな簡単な事はない。その上にFAというプレッシャー、伝統のある球団というプレッシャーがのしかかるんだから、むしろ成績が落ちてもやむを得ない。でもファンはFA戦士に対してそんな寛容な目では見てくれない。

村田修一は、巨人というプレッシャーに何度も押しつぶされそうになりながらも、ギリギリのところでFA戦士の尊厳を守り続けてきた。

昨年は、入団2年目の19歳の高卒とガチの競争を求められたが、村田は絶対に譲らなかった。

そしてキャリアハイには及ばないが、打率3割超え、ホームラン25本、ゴールデングラブ賞、セ・リーグベストナインにも選出されるほどの成績を残した。

それでもまだ納得してくれない。これだけの成績を残しても評価してもらえない。給料も下げられ、外国人まで補強される始末。

さらに最悪の仕打ちが待っていた。まさかまさかの開幕スタメン落ち。

そりゃ確かにオープン戦結果を出すことは出来なかった。でもそれを言ったらマギーだって一緒。マギーも結果出してないじゃん。

普通キレる。普通ムカつく。普通ならやってられねーよ!とバットを投げつけてしまうかもしれない。

でもそれでも腐らない。代打という立場に追いやられても、与えられた職場でキッチリと結果を残す。

会社に評価されない。結果を出しているのに給料が上がらないと嘆いている世のサラリーマンは、男村田の鋼鉄のようなメンタルを見習わなければならない。

思えば、前監督の原辰徳は、事あるごとに村田修一にケチをつけ続けた。

時には名指しで戦犯として批判することもあった。

なぜ原監督はそこまで村田を追い詰めるのだろうか?一見爽やかな巨人の若大将は、実は強烈なドSだったのだろうか?

いやもしかすると、原監督は村田のメンタルの弱さを見抜き、巨人という球団で活躍する術を身をもって教え込みたかったのかもしれない。

伝統のある巨人軍は、実績のあるFA戦士でも外様組には冷酷な待遇をすることも少なくない。内向的な組織だ。

そんな旧体制で活躍するためには生半可なメンタルでは乗り切れない。実績、技術、そこにもう一つ鋼鉄のようなメンタルを身に着けないと巨人では活躍できない!

巨人の四番打者というプレッシャーを生涯背負い続けて来た原辰徳は、それを村田に教えたかったのかもしれない。

必ずや男村田はスタメンに帰ってくる。例えフルボッコにされ続けても平気な顔してゲームに出続けてきたメンタルは、もはや生身の人間では届かない領域にいるからだ。

マギーちゃん。今試合に出ているうちに圧倒的な成績を残さないとすぐに椅子を奪っちゃうよ。虎視眈々と正位置への復権を狙う男村田の目は全く死んでいない。