WBCは第二戦を終え、連勝スタート。
投打が噛み合い最高の形で二次リーグへ進みそうな勢い。
そんな中、初戦のキューバ戦で山田哲人のホームラン性の打球を捕ってしまった少年が大きなバッシングを浴びている。
果たして少年の行為は批判されるべきなのだろうか?
ホームランを捕ってしまった少年
批判を受けるべきか?
WBC1次リーグ初戦。
強化試合で負けが先行し、重苦しい雰囲気の中1次リーグに望んだ侍ジャパン。
しかし対戦相手のキューバは日本以上に深刻な状況で本番を迎えていた。
強化試合で1勝も出来ず苦しむキューバ。
日本、キューバかつては世界大会で凌ぎを削った野球王国同士の対戦となったが、共にかつての姿とは一転し不安だらけの中の開幕となった。
幸先よく先制した日本だが、先発の石川がキューバに追いつかれる。
重たい空気が漂う中、ヤクルトスワローズに住み着く神が空気を切り裂く一打を放つ。
2年連続トリプルスリーの山田哲人が、左中間に豪快な2ランホームラン。
これで2点差・・と誰もが思った瞬間、審判が集まりビデオ判定にもつれ込んだ。
なんと、山田哲人のホームラン性の当たりをスタンドのファンがキャッチしてしまったのだ。
結局判定の結果、山田哲人のホームランはエンタイトルツーベースとなり、侍ジャパンには1点しか入らなかった。
これで2対1。まだまだ勝負はわからない。重たい空気はなおも東京ドーム中に漂っていた。
だが次のイニング、眠っていた侍ジャパンの打線が一気に爆発する。
一挙5点のビッグイニングを作りキューバを突き放した。これで今日は勝てる、球場中に安堵感が漂った。
しかし、5点が入って1番安心したのはホームランを奪い取ってしまった少年なのでは無いだろうか?
もしあのまま点が入らず、侍ジャパンがまさかの逆転負けなんていう結末を迎えてしまっていたら、少年へのバッシングは止まることは無かっただろう。
果たして少年が取ってしまった行為は、批判されるべきなのだろうか?
筆者も子供の頃、プロ野球を観戦しにいくときはいつもグローブを持参していた。
コーラを飲んだり、食事をしたりする時以外は、いつもグローブをはめていた。
自分のところに打球が来ないか?いつもワクワクしながら野球を見ていたモノだ。
何度も何度も後楽園球場時代から東京ドーム、そして神宮球場と野球を見に行ったが、一度も目の前にボールが飛んで来ることはなかった。
5万人の観衆の中、自分の目の前にボールが飛んでくる機会なんてあり得ないほどの確率なのだ。
ホームラン性の当たりを捕ってしまった彼が位置取っていたのは、左中間の最前列。
比較的ボールは飛んで来やすい場所ではあるが、実際に目の前に飛んで来る確率は極めて低い。
そんな確率なのに、あの山田哲人の打球が自分の目の前に飛んできた。
ホームランを奪ってしまう。インプレーの打球に手を出してしまう。
咄嗟にそんな気持ちになれるはずがない。無意識に目の前のボールを捕球してしまったのだ。
そんな少年の無意識お行為を批判するのは馬鹿げた話だ。
当の山田哲人は、ギリギリのホームランを打った自分が悪い。次はもっと文句なしのアーチを架けてやる!とまさに神対応。
もちろん勝ったからこんなことが言えるというのはあるが、野球を楽しむファンが思わずボールを捕ってしまった!そんな行為を批判していたのでは、野球ファンの裾野は広がらないだろう。