日本シリーズ第4戦は北海道日本ハムファイターズが逆転勝利で2勝2敗のタイに引き戻した。
この試合の立役者は4番中田翔。信じられないエラーで1点を先制され重苦しいムードを断ち切ったのは、4番の一発。これぞ中田翔の真骨頂。
一時は長いネックレスをチャラチャラとぶら下げ、品がない、プロ野球選手らしくない!と批判された時期もあったが、多少大人になったのか、最近では短めのネックレスを愛用し好感度も上昇している。
そんな中田翔をどんなに調子が悪くても4番から外さない栗山監督のポリシーとは?
中田翔
4番へのこだわり
栗山監督は、中田を4番に置き続ける理由として、「どんな凄い投手が出てきてもなんとかしてくれそうな雰囲気を感じる打者」と表現している。
確かにこの感覚はとても大事なのかもしれない。
巨人の4番を打っていた松井秀喜も一時は4番としてどうなのか?という時期もあった。
それは苦手な投手がいるから。
阪神の伝説の松井キラー遠山とハマの大魔神佐々木に対して、松井は全くタイミングが合わない時期があった。
ゲームの終盤、ここでなんとかして欲しいという場面で、この投手は打てないというピッチャーがいるのでは4番として心許ない。
左打者の場合、終盤に変則投法のワンポイントを使われる機会が多いため、栗山監督が求める4番像とはちょっと違うのかもしれない。
なので大谷翔平を4番にしないのだろうか?
確かにそう考えれば3番松井、4番落合の頃は安定感があった。
巨人在籍時の落合は、既にピークを過ぎていたが、勝負どころではどんな投手でもなんとかしてくれそうな雰囲気は常に持っていた。
だから4番は中田翔なんだろう。
打点王の素晴らしさ
今シーズンの中田翔はストレスの溜まるシーズンだっただろう。
プレミア12で大活躍し、日本の4番は中田翔という印象を植え付けたが、シーズン中はその好調さは影を潜めた。
打率は規定打席到達者の中でも下から3番目の250。ホームラン25本。しかし110打点を稼ぎ打点王のタイトルを獲得。
なぜこの数字で打点王になれるのか?得点圏打率が高いのでは?と思われるが得点圏打率はわずかに上がり264と特筆すべき数字ではない。
本人も打点は皆のおかげと言っているが、決してそんな事はない。
その象徴的なシーンが第3戦の初回。
大谷翔平の2塁打でワンアウト2、3塁のチャンスで4番中田。
ファンは爽快に2人を返してほしいと願う中、中田の打球は平凡なショートゴロ。この間に走者一人が生還し打点1。
これでイイんだ。実際コレが出来る4番打者が意外と少ない。
ランナーが3塁にいるシーンでは、ヒットでも犠牲フライでも内野ゴロでも1点入れば同じこと。まずは点を取ることが一番大事。
本人が意図した打球では無いんだろうが最低限の結果をコツコツ残し続けた結果が打点王に繋がっている。
この渋い働きをやり続けてくれるから、4番中田で優勝できるのだ。