2016年パ・リーグ全日程終了タイトルホルダーを振り返る


2016年パ・リーグの全日程が終了。

セ・リーグと違い最後の最後まで優勝争いがもつれたパ・リーグ。

しかしもつれたのは優勝争いだけで、後の4チームは遥か後方。

3位のマリーンズまではなんとか勝ち越したが、4位以下は屈辱的な差をつけられた。

かつては万年Bクラスだったソフトバンク、北海道日本ハム、千葉ロッテが上位になり、優勝の常連だった西武、楽天(元近鉄)、オリックス(元阪急)が下位になる。

パ・リーグの勢力図は大きく変わっている。

2016年パ・リーグタイトルホルダー

打撃部門

首位打者は角中勝也が2度めのタイトル。夏前から既に打率はぶっち切りの一人旅となったが、最後まで追いすがる選手は出てこなかった。

四国アイランドリーグ出身でドラフト7位の苦労人。

2012年の首位打者獲得以来、打率が3割に乗ることが無かったが、今年は1年通して抜群の安定感。

交流戦の頃は、抑えられる気がしないほど打たれる空気はプンプンしていた。

長打力もありそうなのに、あえて長打を狙わない姿勢が高打率を産んでいるのだろう。

ホームランはブラントン・レアードが初タイトル。

シーズン序盤は、西武もメヒアが快調に飛ばしていたが、徐々にレアードが追い上げ、後半はマッチレース。

優勝を決定した大事な試合でもホームランを打つなど、勝負強いレアードに最終的には軍配が上がった。

昨年打率1割台でも我慢して使い続けた栗山監督の目利きには恐れ入る。

日本を愛し、寿司を愛すチーム愛の姿勢は見習いたい優良外国人助っ人だ。

打点は中田翔。

自身今シーズンはバッティング冴えず、2軍に落として欲しいと懇願しようかと思っていたほど悩んでいたらしい。

試合に出るのも嫌だったくらい。だがそれでも打点王という結果を残すことは素晴らしい。

自身が思っているほど中田のバッティングは悪くない。内川、メヒア、レアードとレベルの高い選手達と争った今年の打点王は大いに胸を貼るべきだろう。

盗塁王はオリックス糸井と西武金子が53個で分け合う形になった。

糸井は昨年の盗塁数11から一気に53までジャンプアップ。

鉄人と呼ばれる理由がわかるほどの大爆発だ。

投手部門

最多勝はソフトバンク和田毅。

同じメジャーからの復帰組として松坂と大きな差がついたが、和田の場合はトミー・ジョン手術後メジャーでの登板に恵まれなかった。

状態は回復しているのが分かっていただけに、ちゃんと投げればコレくらいの数字はいつでも出せる投手なんだろう。

それにしても和田の安定感は特筆すべき。

NPBには計10年在籍しているが、そのうちの8回も二桁勝利。首脳陣には計算できるありがたい存在だ。

最優秀防御率は、ロッテの石川歩。

入団3年目にして初タイトルになるが、まさに順風満帆の受賞。

入団1年目で10勝で新人王。その後12勝、そして今年は14勝5敗と着実にステップアップし、3年目でタイトル獲得。

エースの階段を順調に登りつめている。ドラフトで巨人が引いていれば・・・悔やまれる逸材だ。

最優秀救援投手は、ソフトバンクのサファテ。

ぶっち切りの43セーブ。

広島時代よりも安定感が増した感のあるサファテ。絶対的クローザーとはこういう存在を言うのだろう。

総括

セ・リーグとは異なり、ベテラン、外国人助っ人、若手、メジャー復帰組などバラエティに富んだ顔ぶれとなったパ・リーグのタイトルホルダー。

やはりタイトルホルダーを多く排出しているチームは上位に来る。

こうやってタイトルホルダーの顔ぶれを見ると、野球って個人の力が重要なんだということ思い知らされる。

タイトルホルダーに大谷翔平の名前がないのは寂しいが、投手として10勝と164キロを記録、打者として打率322、ホームラン22本は破格の数字。

もはやタイトルホルダーすら霞むほどの活躍を見せた大谷翔平は、間違いなくMVP候補だろう。