北海道日本ハムファイターズとの首位攻防戦に連敗し、マジック点灯を許してしまったソフトバンクホークス。
まだ試合は残っているし、逆転マジックもあり得る状況なので決まった訳ではないが、気になるのは工藤監督の迷い。
昨夜も勝負どころでのここのところ安定感のある岩崎ではなく、五十嵐を投入。
その五十嵐が日ハムのパーフェクトヒューマン中田にダメ押しの2ランを浴びてしまい勝負を決した。
工藤監督は今大いに迷っているのではないだろうか?
工藤監督
工藤公康
工藤と言えば通算224勝を上げた言わずと知れた左の大エース。
西武の黄金時代はまさに工藤とともにあったと言っても言い過ぎではないだろう。
巨人との日本シリーズで、あの好打者篠塚が工藤のカーブに腰砕けになったシーンを今でも覚えている。
そして西武で一時代を築いた西武は低迷していたダイエーホークスにFAで移籍。
当時新米キャッチャーだった城島健司を育てたのは有名な話。
そしてさらにFAで巨人へ移籍。
野球論が難しすぎて巨人の若手が寄り付かなかったという噂もあるが、巨人でもしっかりと存在感を発揮した。
そして晩年は横浜へ。
引退後は報道ステーションのキャスターとして卓越した野球論を披露した。
優勝請負人
黄金時代のライオンズ戦士はやはりレベルが違うのか、移籍する度にチームを優勝へと誘った。
ダイエー、巨人。そして監督となった1年目、ソフトバンクホークスをしっかりと日本一まで導いた。
しかし、監督となった今年は優勝への嗅覚が鈍ってしまったのか?采配に迷いが生じているように見える。
北海道日本ハムファイターズとの直接対決。負けられない戦いで投手を温存するやり方は、果たして先を見据えた采配なのだろうか?
2年前のこんなシーンを思い出した。
DeNA対巨人戦。
8対3と5点リードしていた8回、当時DeNAの中畑監督は勝ちパターンの投手ではないルーキーの平田をマウンドに送った。
5点差あるし、もう8回だし、ちょっと余裕の采配だったのかもしれない。
しかし、その心のすきにくらいついた巨人打線は止まらない。
当時抑えの山口を追加投入したが時すでに遅し。1イニング10点というビッグイニングを許し、そのまま逆転負けしてしまった。
戦力差はあるだろうが、そこが経験値のある巨人の原監督と中畑監督の差なのではないか?と感じた試合だった。
原前監督は勝てる試合や競った試合こそ、惜しまず戦力を投入する。
戦力を出し惜しみして負けた時、その後のダメージが大きいからなのかもしれない。
しかも工藤監督はこの場に及んで出し惜しみと思われるタクトを揮った。
もしかしてだけど
ただもしかしてなんだけど、工藤監督はこの直接対決が最終決戦ではない!と読んだのかもしれない。
北海道日本ハムファイターズは、大谷をインターバルを開けずに起用するなど、スクランブル体勢を敷いてきた。
一方のソフトバンクホークスはまだ余力を残している。
残り8試合でソフトバンクが再逆転優勝を果たしたら、その時工藤監督の先見の明に皆が賛辞を送るだろう。