なかなか打線がつながらず、嫌なムードが流れる中、この男が一振りで試合をひっくり返した。
首位打者、ショート、キャプテン、20本塁打、まさにチームの要になった男が、なんとか広島の優勝を阻止した。
とはいえ、広島のマジックはすでに1。もう風前の灯火だが、楽には勝たせない気合が感じた一発だった。
坂本のチーム
故障で抜けた穴
坂本がここ数試合、スタメンを外れている。
中日戦で自打球を当てた影響で、今は代打として起用されているが、坂本ほど替えのいない選手はない。
最悪の話しだが阿部慎之助が抜けるより、長野が抜けるより、村田が抜けるより坂本の穴は大きい。
ショートという運動能力と守備力が必要なポジションを勤めながら、首位打者を争い、ホームランも打てる、勝負強さもある。
こんな男はもはや坂本しかいない。
ここ数年は、巨人は阿部慎之助のチームと言われていたが、今はすでに坂本のチームになっている。
なぜ甲子園で強いのか?
しかし甲子園での阪神戦は、これで10戦負けなし。
9勝1分、阪神ファンにとっては絶対に許してはいけない屈辱的な記録だが、なぜ巨人はここまで甲子園で強さを発揮するのだろうか?
技術的な要素はいろいろ考えたが、あまり思いつかない。
ではなぜ阪神は甲子園で巨人に勝てないのか?
恐らく、阪神ファンがイマイチ気合が乗らないからなんじゃないだろうか?
甲子園での阪神戦は、いつも異様な雰囲気だ。
一面阪神ファンに囲まれ、地鳴りのような声援が試合中途切れること無く襲ってくる。
しかも東京人には馴染みのない関西弁が球場に響き渡り、都会っ子の巨人の若手はみんな雰囲気に飲まれてしまう。
それが昨日の田口のように、平気な顔して勝利投手になってしまう。
なんで雰囲気に飲まれないのだろうか?
恐らくなんだが、阪神ファンに一時期ほどのパワーが無いんじゃないだろうか?
今年は阪神ファンが盛り上がる要素が非常に少ない。
鳥谷は低空飛行、藤浪も負けが先行し壁にぶつかっている。
原口や高山のように活きのいい若手も出てきてはいるんだが、なんだか腹の底から応援したくなるほどではない。
掛布や岡田や川藤や金本や矢野や全盛期の藤川のような、これぞタイガース魂というホレ込む選手が出て来ないからなんじゃないだろうか?
ここのところFA戦線で大物を取ったり、メジャー帰りの選手を取ったりと補強に力を入れているのはわかるが、阪神ファンが心から支えたくなるような若手がどうしても必要なんじゃないだろうか?
あの恐ろしいほど熱い甲子園球場が戻ってくる日は遠いのかもしれない。