阿部慎之助は離脱したが、大事にもならず早めに復活できそうだ。
3月4月に打率1割台というプロ入り以来初めての大スランプを経験した長野もいつの間にか調子を上げ、2割7分台まで打率を引き上げてきた。
陽岱鋼も山口俊も復帰し、いよいよ戦力が整ってきたジャイアンツ。
その中にあって、後半戦最も切り札的活躍をしてくれそうな男がいる。寡黙なリリーバー西村健太朗だ。
西村健太朗の復活
最強の安定感
今シーズン、あの頃の絶対的安定感を誇った西村健太朗が完全復活しようとしている。
開幕1軍には間に合わなかったが、復帰後10試合で防御率0.79という快投を見せてくれている。
開幕から固定できなかったマシソン、カミネロに繋ぐ7回を任せる男。この分なら勝利の方程式の一角は西村健太朗で間違いなさそうだ。
思えば、巨人の歴代クローザーで西村健太朗ほどの安定感を見せてくれた投手はいないんじゃないだろうか?
マッスルクローザー沢村は、ここぞという試合に限って大炎上劇を見せてくれるし、ミスターパーフェクト槙原寛己に至っては、ピンチになるとすぐに目が逝ってしまい、捨てられた子犬のような表情でマウンドに上がっていた。
いつも9回はあいつで大丈夫なの?ほかにいないの?そう思わせてくれるクローザーばかりだった。
しかし、絶頂時の西村健太朗はそんなだらしないクローザーとは一味違う。
2012年は69試合に登板しながら防御率1.14.
2013年は、71試合という酷使に耐えながらも防御率1.13、42セーブで初のセーブ王にも輝いている。
それなのに・・・なんか世間の評価が低い。
確かに西村健太朗にスター性はあまりない。
鼻の横の大きなホクロが特徴の純和風男子。ガッシリした体から投げ込まれる快速球は・・・特に150キロ台後半でズバズバと来るわけでもない。
大魔神佐々木のようなフォークボールでバッタバッタと三振を取るわけではない。もちろん切り札にしているエグいシュートは一級品なのだが、派手さがない。
クローザーにもかかわらず打たせて取るタイプ。地味ぃ~な存在なんだ。
そんな西村健太朗もここ数年、故障と勤続疲労のせいなのか一時のような輝きは放てていない。
それどころか、昨年のオフシーズンは、山口俊の人的補償の一番手なんじゃないか?と騒がれる立場になってしまった。
もうあの事の西村健太朗は戻ってこないのだろうか?多くの巨人ファンはそう思っていたかもしれない。かく言うオレだってそう思っていた。
そんな西村健太朗が帰ってきた。あの頃と同じような安定感をまた取り戻してくれそうな勢いで。
美味しい外食もいいだろう。気の合う仲間と飲む酒もいいだろう。
でもやっぱり一番落ち着くのは自宅。そんな自宅に帰ってきたような安心感を与えてくれる西村健太朗。
テディベアのような西村健太朗は、必ずや後半戦のジャイアンツの切り札になってくれるはずだ。