巨人の投手陣からついにあの男が姿を消すことになる。
山口鉄也。巨人のブルペン陣に欠かすことの出来なかった絶対的存在が、登録を抹消されることになった。
故障という訳ではない。もちろん病気でもない。休みを与えるための時間でもない。現戦力と比較して力が劣っているための登録抹消。完全なる降格処分だ。
ついに高橋由伸監督は最大の功労者山口鉄也の肩を叩いたのだ。
山口鉄也からの離脱
夢から醒める時が来た
ゲーム終盤、塁は全て埋まっている。一発食らったらまさかの大逆転。まさに絶体絶命。
でもそれでも大丈夫。なんとかなるさ。そんな希望的観測をいつも与えてくれたのは山口鉄也だった。
先発がいきなり崩れた時だって、セットアッパーが試合をブチ壊しそうな時だって、自身を持って送り込んだはずのクローザーがまさかの大乱調なんて時だって、いつも山口鉄也は華麗にチームのピンチを救ってくれる。
山鉄がいるから巨人は信じられないような逆転負けは喫しない。あり得ないような悪夢を見ることはない。枕を高くして眠れる。いつもいい夢見ることが出来る。山鉄は巨人ファンに安眠を与えてくれる存在だったんだ。
だけどさぁ、もう山鉄が俺達に安眠を与えてくれてもう9年。そろそろ夢から醒めなきゃイケない時期なんだ。もう山鉄に全てを押し付けていては行けないんだよ。
山口鉄也の復活は?
スリークォーター気味の左腕から繰り出される150キロ近い快速球。
エゲツない角度でキレまくるスライダー。
左打者を一球で仕留めるカミソリシュート。
誰もがタイミングを外すチェンジアップ。
何連投しても全く色褪せることのない無尽蔵のスタミナ。
ノーアウト満塁だろうがなんだろうが意に介さない鋼鉄の精神力。
全ての能力を兼ね備えた鉄壁のセットアッパー。巨人史上最強最高のセットアッパー。そして最大の功労者。
山口鉄也は、果たしてあの頃の最強セットアッパーの姿に戻ることは出来るのだろうか?
年齢は33歳。まだベテランと呼ぶほどの年ではない。年齢的にはあと数年一線級で通用するはずだ、一般的には。
でも巨人は、てか原監督は、山口鉄也に頼りすぎてきた。来る日も来る日も山口鉄也。困った時は山口鉄也。その結果、山口鉄也は9年連続60試合以上登板という訳のわからない記録を達成してしまった。
鉄腕と呼ばれた左腕は、恐らく全盛期とは比べ物にならないくらい劣化してしまったのだろう。軽く投げて140キロ台後半を記録していた快速球は、今では目一杯投げても140キロに届かないことすらある。もう限界なのか?
信じたくはない。現実から目を背けたいのだが、もうあの頃の山口鉄也が戻ってくることはないんだろう。一度リフレッシュしたくらいで、あの頃の眩いくらいの輝きが戻るのならこんな楽な話はない。
ボロボロになるまで使い切った原監督から後を引き継いだ高橋由伸。もう山口依存は出来ない。山口という魔法から目を醒まさなければイケない。だからこそ今この時期に山口鉄也の登録を抹消したのではないか。
しかしまだ山口鉄也は終わっていない。あの頃には戻れない、そんな事は分かっている。だが10年間で600以上の修羅場を潜ってきた経験は、他の誰にも真似することの出来ない貴重な実績だ。
この実績を武器に山口鉄也は、もう一度勝負どころで貴重な活躍を見せてくれるはずだ。
これからしばらく巨人ファンは安眠できない日々が続くかもしれない。だからこそ山口鉄也らしい姿での再登録を期待せずにいられない。