巨人が開幕4連勝を決めた。
先発のエース菅野が7回1失点とエースの働きを見せれば、キャプテン坂本が先制と貴重な追加点を生み出すタイムリー。締めは絶好調4番阿部慎之助の2ランホームラン。
エースと中軸がガッチリと噛み合った横綱相撲。
そのおかげで調子の上がらない下位打線には今のところバッシングの声は聞こえない。
中井と岡本に与えられた時間
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総勢10人近い人数で競い合った巨人のセカンド。
クルーズ、片岡など実績のある選手がしのぎを削る中、オープン戦後半、脅威の末脚を見せて追い込んだのは伏兵の中井大介。
プロ入り10年目、なかなかブレイクしきれなかった男が、誰もが予想しなかった形で開幕スタメンの座を奪い取った。
そしてもう一つレギュラーが決まっていなかったポジションレフトに入ったのは、巨人がなんとしてでも育てたい、いや育てなければならない大砲候補岡本和真。
オープン戦ではイマイチ結果が出なかったが、後半2~3試合での固め打ちで開幕スタメンを射止めた。
本来ならセカンドはクルーズ、レフトはギャレット。ここが基本路線。
ただこれでは昨年となんら変わらない。
定番の牛丼だけのメニューでは、時代のニーズに取り残されてしまうし、ライバル他社の攻勢に飲み込まれてしまう。
定番メニューは大事にしながらも、常に挑戦し続け、新メニューを開発していかなければ店は発展しない。
由伸監督は決断した。若い力に賭けてみよう。新メニューを投入してみよう。
普通に考えれば大きなギャンブルだが、坂本、阿部、長野という定番メニューが安定しているからこそあえて新メニューをラインナップに入れてみた。
新メニューが定番メニューに組み込まれるためには、キャンペーン期間中にある程度の売上を上げなければならない。
誰も注文しないようなメニューはラインナップから外されてしまう。だからこそ今しかない。
坂本、阿部が爆発してくれている今。ここで存在感を発揮しなければ定番メニューには食い込めない。
坂本と阿部の調子が落ちれば、貧打の矛先は当然のように新戦力に向かう。二人が打ち続ける今こそ輝きを放たなければならないんだ!
ツーボールから
しかし1軍経験の少ない中井、岡本の二人はまだまだ来る球を打つだけ。打者有利のカウントから投手を攻めることが出来ていない。
3連勝を決めた中日戦。先発は経験豊富な吉見。
中井も岡本もツーボールと打者有利になった3球目、ストレート1本に絞ってフルスイング。とそこに来たのは一瞬間を外されたスライダー。
せっかく良いカウントになっても自分で自分を追い詰めてしまう。
一方坂本勇人は落ち着きが全く違う。ツーボールからの3球目、フワッと投じられたスライダーをいとも簡単に見送り、次の弾を待っていた。
ここが明らかに経験の差。ただ打つだけでは1軍に定着することは出来ない。冷静に配球を読み、自分が打てる球をじっくりと見極めスイングする。
その領域にたどり着くのは簡単な話ではないが、目の前のお手本、坂本・阿部の打撃を穴が空くほど見つめて、早い段階で戦力として定着して欲しい。
今は二人が打たなくても周りがなんとかしてくれる。ただそのうち、お前らも働けよ!という試合が訪れる。
その時までに、1軍の投手に慣れ、1軍の配球を大いに学んで欲しい。
そしてセカンド中井、レフト岡本が定番メニューとして定着した時、巨人の連勝街道は益々止まらなくなってくる。