巨人のエース、いや今や日本の大エースにまで登りつめた菅野智之が、2017年シーズンいよいよテイクオフ。
4/4のDeNA戦で今シーズンの開幕を迎える。
開幕3連勝とロケットスタートを成功させた巨人軍。この勢いを切らさないためにもエースの働きが鍵を握る。
菅野なら大丈夫。前半戦で崩れるなんてあり得ない。絶対的な信頼感を得ている大エースだが、一つだけウィークポイントがある。
今シーズンはこの弱点を解消してくれれば、完璧な投手になれるはずだ。
菅野智之の弱点とは?
何が足りないのか?
第4回WBC準決勝、大事な舞台を任された菅野は期待を裏切らない投球を披露する。
6回1失点。メジャーリーガーがずらりと並ぶアメリカ打線をキッチリと封印し、先発としての役割を果たしてマウンドを降りた。
だが終わってみれば2対1。日本は惜しくも1点差で敗れてしまった。
菅野は昨シーズン防御率2.01で最優秀防御率のタイトルを獲得した。しかし勝利数は二桁に届かない9勝止まり。
菅野の通算防御率は2.34と圧倒的な数字を記録しているが、最多勝利はデビュー年の13勝。
2015年に至っては防御率1.91と1点台を記録しながらも10勝11敗と負け越してしまった。
そう菅野に足りないモノ。
それは勝運なんだろう。
菅野が好投すると打線が沈黙してしまう。菅野がマウンドを降りてからチームが逆転する。勝ち投手の権利を持っていながらマウンドを降りるがその後救援陣が逆転を許してしまう。
そんなケースが異常なほど多い。それが菅野智之のウィークポイント。いやウィークポイントって言われてもこれは菅野のせいではない。菅野はキッチリと投げているそれを援護できない味方が悪い。確かにその通りだ。
でもでもやっぱり菅野の勝運の無さは悲しくなるほど際立っている。
同僚の内海は、いつもフラフラなピッチング。菅野のように相手を圧倒するような投球ではなく、いつもランナーを背負い、いつ崩れてもおかしくないようなピッチングをしながらも、気がつけば勝利投手になっている。
2013年は、防御率3.31。それほど圧倒的な数字でもないのに13勝6敗とチームに7つの貯金を供給している。
もちろん勝利投手というのは、運の要素も大きく関与するため投手を正当に評価する指標にはならないかもしれない。
アメリカでは勝利投手というのはそれほど評価されず、防御率やQS、WHIPなどが投手の評価の指標となる。
それは確かにわかるが、2013年の田中将大を語る上で24勝0敗という数字は切っても切り離せない。
やっぱり勝利投手というのは、日本のプロ野球にとって最もわかりやすい投手の指標。
この勝運さえ手に入れることができれば、菅野智之はさらに圧倒的存在感を身に纏うことが出来る。
だが勝運・・・実力では手に入れることが出来ないこの運をどうすれば身につけることが出来るのだろうか?
お祓い?ジンクス?占い?
いやそうではない。実は今シーズン菅野がこの勝運を手に入れる可能性は、大いに高まっているのだ。
それはWBCのお陰で裏ローテに回ることが出来たからだ。
エース級等の対戦を避けることが出来る裏ローテ。
24勝0敗と圧倒的な数字を残した田中将大も2013年は開幕投手ではなく裏ローテ。
勝運に見放された悲運の大エース菅野が、今シーズン4年ぶりに開幕投手をゆずり裏ローテに回った。
もしかしたら2017年の菅野は、マー君が記録した24勝0敗を上回る驚愕の数字を残すかもしれない。