選抜高校野球大会2回戦、東海大福岡対早稲田実業の戦いは、11対8で東海大福岡が勝利を収め、清宮幸太郎の春はあっけなく終わってしまった。
清宮の2試合の打撃成績は9打数3安打。ノーアーチ、打点0。
中学生時代から騒がれ続けた怪物は平凡な成績で幕を閉じた。果たして清宮幸太郎は並の打者なんだろうか?
清宮幸太郎の春
歴代の強打者との比較
高校野球史上最強のスラッガーと言えば、やはり清原和博だろう。
高校生活で5度の甲子園出場というあり得ない実績だけでも凄いのだが、その個人成績はずば抜けている。
甲子園通算打率は脅威の440。通算ホームラン数は13本。
高校3年生最後の夏の甲子園では5本もアーチをかけている。圧倒的な成績だ。
右の最強打者が清原なら左の最強打者は松井秀喜。
松井は甲子園に4度出場しているが、初戦敗退などもあり試合数は10。
通算打率は344、ホームラン数は4本。
清原と比べると寂しい数字だが、最後の甲子園で5打席連続敬遠というドラマがあったことを考えれば素晴らしい成績だ。
そして清宮幸太郎。
1年生で出場した夏の甲子園では2本のアーチをかけたが、3年生春の選抜は寂しい成績で終わってしまった。
清原の記録を破ることが出来るのは清宮しかいない!とも言われていたが、現時点では清原の足元にも及ばない。
もちろん各校の清宮マークは厳しすぎるくらい厳しい。
早稲田実業春の選抜初戦の相手は、あの明徳義塾。
そう前述した松井秀喜に5打席連続敬遠を指示したあの馬淵監督率いる名門校。
明徳で馬淵監督とくりゃ清宮に対し徹底的に敬遠策もあり得る?と話題にもなったが、そんなこたぁない真っ向勝負。
清宮を4打数1安打に抑えきった。
2回戦の相手東海大福岡のエース安田大将は、右のサイドスロー。
タイプ的にはヤクルトスワローズに在籍していた高津臣吾のようなスタイル。
それほど速い球は無いが、両サイドに絶妙な制球力で投げ分ける技術が持ち味。
左の清宮からすれば右のサイドスローは対しやすいかと思いきや、安田の120キロそこそこのインハイを打ちあぐむ。
なんとか2安打と一矢報いた形にはなったが、そのうち1本は外野手がお見合いした結果のラッキーなヒット。
外野の頭を越えるような会心の当たりが出ることは無かった。
マークが厳しいから仕方ない?注目されすぎているからしょうがない?
いやいや、清原も松井も相当な注目を集めていた。もちろん各校徹底的にマークをしていた。
それでも結果を残す。それどころかどこに投げても打たれるんじゃないか?という圧倒的な存在感を示していた。
だが清宮にはそれほどのオーラは感じられなかった。全てを飲み込むようなオーラを出しているようには見えなかった。
むしろ脆い部分ばかりを露呈してしまった。
昨年の春の選抜出場を決めた東京大会決勝。
日大三高のエース櫻井のスライダーに手こずり、5打席連続三振を喫した。
低めの落ちる変化球に課題が見つかった瞬間だったが、今春は高めのインコースにも対応出来なかった。
今の清宮は一線級の投手を打ち砕くほどのオーラはないようだ。
清原、松井級ではない並の打者なんだろうか?
いやまだ結果を出すのは早い。並の打者が79本ものホームランを打つことが出来るわけがない。
清宮にはまだ夏がある。夏に向けて大きな課題が見つかっただけ。ただそれだけだ。
これくらいで清宮の価値が下がることはない。ただもう一度甲子園という大舞台で清宮の姿を見てみたい。
夏の西東京大会予選。なんとか早実には勝ち上がってきて欲しい。