侍ジャパンの正捕手としてチームを引っ張った小林誠司が日本に帰ってきた。
ロッテとのオープン戦、小林誠司が途中出場しただけでグランドが沸き、ニュースでも取り上げられるほど。
昨年、規定打席に達したが204という低打率、さらにキャッチングの拙さ、気の抜けたプレイが多い、などなど叩かれ続けてきた男が、たった二週間でスター扱いになってしまった。
ようやく、阿部慎之助という長年巨人を支えた大黒柱の正捕手の穴は埋まったと言ってイイだろう。
となった時、そろそろ別れの季節を感じさせる。
阿部慎之助の卒業式
阿部頼みからの脱却
攻守と巧打でチームを支える絶対的存在の捕手。
理想とすれば全盛期のヤクルトスワローズの古田敦也のような存在だ。
巨人ファンは長年そんな存在を待ち続けてきた。
山倉は確かに意外性のあるバッティングを見せてくれたが、打力としてはイマイチだった。
だからこそ西本を出してまで中日から中尾を獲得した。だが中尾の正捕手の座は長くは続かなかった。
そして西武ライオンズで名捕手伊東の陰に隠れ、出場機会を得ることが出来なかったデーブ大久保を獲得。
デーブの打力は相当魅力だったが、デーブもやはり長続きはしなかった。
その後巨人の正捕手を勤め上げたのは村田真一。
斎藤雅樹、桑田真澄、槙原寛己という3本柱が全盛期の時代を支えた村田。
だけど村田もクリーンアップを打つほどの破壊力はなかった。
そこにやって来た、待ち望んでいたよ君のような存在を。そんな存在だったのが阿部慎之助。
阿部慎之助は、入団直後からファンの期待を裏切らない、いやそれどころかファンの度肝を抜くような活躍を見せ、巨人の柱へと成長していった。
松井が抜け、ガッツがいなくなり、ラミレスもいなくなった。
そして巨人は、打線でも守備でも阿部慎之助を中心としたチームになった。
阿部慎之助が水戸黄門なら、長野と坂本が助さん格さん。村田真一が飛猿的存在。
そんな時代がこれからしばらく続いていくものだと思っていたが、時代の流れの早いプロ野球はそれほど甘くない。
阿部慎之助はキャッチャーを守れなくなり、打撃に専念するしか無くなってしまった。
いや阿部は打撃だけでもいい。4番にどっかと座ってくれればそれでいい。
と思っていたのだが、今シーズン絶好調でキャンプを終えたはずなのに、オープン戦で調子が上がらず、ここに来て体調もイマイチという情報が流れて来ている。
もう打つだけでも大きな期待をかけては行けないのか?
そうなんだ。阿部慎之助も、もう38歳なんだ。
落合博満が巨人にやって来たのは39歳。もう中心でバリバリとやっていく年齢では無くなって来ているのかもしれない。
小林誠司という後継者が、WBCで驚愕の覚醒劇を見せてくれた。
打線の中心には、若き大砲候補岡本和真が座れる可能性も出てきた。
もうコレ以上、阿部慎之助に大きな期待をかけてはいけないんだ。
もう阿部慎之助から俺達は卒業しなければ行けない時期がやって来たのだ。
2017シーズン、阿部慎之助には2000本安打という大きなマイルストーンが待っている。
その目標を達成した時、巨人は阿部慎之助を大黒柱から開放し、新たな柱をあてがわなければイケない。
もう巨人に残された時間は長くない。