巨人岡本和真はパンドラの箱の残された最後の希望


プロ入り3年目。

キャンプから順調にアピールを続けていたはずの岡本和真だが、やはりまた壁にぶつかりつつある。

3月14日時点でのオープン戦打撃成績は、打率276、ホームラン1本、打点2。

実績のある村田、マギー、阿部慎之助、ギャレットを押しのけるのほどの圧倒的な成績は残せていない。

開幕まで1ヶ月を切った。ここから岡本和真はもうスパートをかけることが出来るのだろうか?

岡本和真という存在

パンドラの箱

ギリシャ神話でも最も有名な話の一つがパンドラの箱。

全知全能の神ゼウスが悪と災いという全ての不幸を閉じ込めた箱をパンドラに持たせた。

パンドラは箱を開けてみたいという好奇心に勝つことが出来ず、ゼウスの言いつけを破り箱を開けてしまった。

すると瞬く間に全ての悪と災いが人間界に蔓延し、それ以降人々は不幸にまみれるようになった。

箱を開けてしまった罪悪感に襲われるパンドラ。しかし箱の底を覗き込むとまだ1つ残されたいたものがあった。

それは「希望」。

そう今の巨人に唯一残された希望は岡本和真なのだ。

2017年、2年連続でリーグ優勝を逃した巨人は、育成路線の限界を感じ、超大型補強という暴挙とも言える決断を下した。

超大型補強は巨人というチームに様々な弊害を与えていった。

どう考えても使い切れないほどの外国人助っ人。

1つだけ空いたセカンドというポジションに8人近い選手が席を奪い合う異常事態。

さらに平良拳太郎、小山雄輝、大田泰示という有力な素材を放出せざるを得なくなってしまった。

もう後戻りは出来ない。

巨人は大型補強というパンドラの箱を開けてしまったのだ。

チーム力を引き上げるには、足りない部分を補ったほうが手っ取り早い。

だがしかし、足りない部分を毎度毎度他球団から補強して補っていれば、補修だらけ、ツギハギだらけの家のようになってしまう。

土台の歪んだ家、それが今の巨人軍の実態かもしれない。

だがしかし、まだ岡本和真という希望が巨人には残されている。今や巨人ファンに唯一残された心のオアシスが岡本和真なのかもしれない。

巨人が獲得したドラフト1位のスター候補スラッガーというのは、実はそれほど多くない。

古くは原辰徳、その後長嶋茂雄が引き当てた松井秀喜、そして大田泰示。

その系譜を次ぐのが岡本和真だ。

原辰徳は、巨人ファンには大いに愛されたが、タイトルを複数獲得するような超一流打者になることは出来なかった。

松井秀喜は、巨人ファンが追い求める究極の姿に進化を遂げてくれた。

大田泰示は、夢半ばで北の大地へと旅立つ形になってしまった。

そして次は岡本和真の番。

岡本和真が松井秀喜になれるかどうかは分からない。もちろそこまで昇華して欲しい。

でもそこまで大きな期待はしていない。せめて大田泰示のような境遇にはなって欲しくない。

岡本和真は最後の希望。なんとか開幕1軍切符を勝ち取り、巨人ファンの心を癒やし続けて欲しい。