ついに2017年プロ野球春のキャンプが始まる。
大型補強に成功した由伸巨人も全員宮崎入り。ここから史上最大のサバイバルレースが始まることになる。
厳しい表情で宮崎入りした高橋由伸監督は、こう言った「チャンスは1度しか無い」と。
チャンスは1度
レギュラーを奪うチャンス
昨シーズン3割4分以上の高打率をマークし首位打者を獲得した坂本勇人。
もはや巨人だけでなくWBC侍ジャパンでも欠かせない存在にまで成長した坂本だって順風満帆なスタートでは無かったはず。
そりゃそうだ、当時の巨人には二岡智宏という絶対的レギュラーがいたからだ。
バッティングセンスはあれども、線が細く、守備に難のあった坂本がいきなり二岡という高い壁を乗り越えられる訳がない。
誰もがそう思っていたところに、野球の神は坂本に大きなビッグチャンスを与える。
二岡のケガ、だけでなく世間を揺るがすスキャンダルまで同時にプレゼントしたのだ。
坂本勇人ほどの男がそんなビッグチャンスを逃すはずがない。
坂本はポッカリと空いた二岡の穴を埋め、その後9年間誰にも定位置を渡さないほど絶対的存在にまで成り上がった。
たった1度のチャンスをモノにする。大物になるには実力だけでなく運も味方につけなければならない。
昨シーズン、巨人の若手には1度ならず2度、3度とチャンスを与えられていた。
一昨年規定打席に達しないまでも打率3割をマークした立岡がレギュラーの座を掴むかと思いきや、不調で2軍に落ちてしまった。
ポッカリと空いた外野の穴。
その穴を埋めるため大田泰示、橋本到さらに復帰した立岡に、由伸監督は何度も何度もチャンスを与えたが、その期待に応えることは出来なかった。
チャンスに応えられないのなら、他から選手を取って穴を埋めるよ!と陽岱鋼を獲得した。
キャンプで正三塁手争いに名乗りを上げた岡本和真も、オープン戦で結果を残すことができず、1軍出場はわずか10試合に終わってしまった。
今シーズン、贅沢に溢れかえるテーブルの上には、限られた隙間しか無い。
陽岱鋼という豪華中華料理。
マギーという豪快な肉料理。
その見た目も派手な料理達を平らげ、自分の位置を確保しなければならない。
橋本、立岡、岡本、辻、重信、亀井。この辺りの選手に与えられるチャンスは1度しか無い。
キャンプはお友達感覚で望んではいけない。
今年のジャイアンツ宮崎キャンプは、史上最大のバトルロワイヤルの場になるはずだ。一体誰が勝ち残るのか?