北海道日本ハムファイターズからFA宣言していた陽岱鋼を5年15億円という大型契約で獲得した巨人。
既にDeNAから山口俊、ソフトバンクから森福允彦を獲得していた巨人は、さらにオリックスと楽天の陽岱鋼争奪戦に乗り込み、まんまと強奪してしまった。
巨人がここまでしてでも陽岱鋼を欲しがった理由は、低迷してしまったテレビ市場の開拓だろ!
巨人戦というコンテンツ
日本の地上波テレビ
昭和の時代、日本の夜のテレビと言えば巨人戦が当たり前だった。
仕事から帰ってきたお父さんは、当たり前のように巨人戦をつけ、瓶ビールを飲みながら試合終了まで見届ける。
延長線にもなろうものならラジオ放送に切り替えて、結果を静観する。
もちろん家族皆で巨人戦を見る。それが一般家庭の日常。
オレは野球は好きだったが、小学校も高学年になってくると巨人戦よりも見たいテレビが出てくるもの。
土曜日になるとオレたちひょうきん族を見たいのに、オヤジはいつも巨人戦。
となれば早めに夕食をすませ、自分の部屋に引きこもる。そうやって家庭は分裂していく。
中学生頃になると録画できるビデオが普及してくる。
9時からのドラマを予約して、帰宅後楽しみに見ようとすると、そこに録画されていたのは巨人戦。
巨人戦が放送を延長し、30分食い込んでしまっているのだ。そんな時心底巨人戦が嫌いになったものだった。
そして次第に巨人戦の放送延長はなくなり、ついにはゴールデンタイムでの地上波放送すら無くなってしまった。
もう巨人は日本全国のアイドルではない。東京という大都市にひっそりと佇む、老舗の野球チームに落ちぶれてしまったのだ。
もう日本の地上波放送で昔のように巨人戦が流れることはないだろう。
これからは新たな市場を開拓していかなければならない。そうだ台湾へ行こう!
台湾のテレビ
やはり自国のスターが海外で活躍している姿は嬉しいものだ。
日本人もイチロー、田中将大、ダルビッシュ、岩隈久志、前田健太が出ているメジャーの試合は興味あるが、そうでない試合はあまり興味がわかない。
そらそうだ。知らない選手ばっかりの試合なんていくら野球好きでもあまり面白みはない。
だからこそ巨人はスター性の高い陽岱鋼を獲得して、停滞しているテレビコンテンツを台湾に売り込みたいのだろう。
現在パ・リーグの試合は、台湾でも放送されているらしく、陽岱鋼の勇姿は台湾の家庭でも見ることが出来た。
しかし放映権の高い巨人戦はこれまで放映されていなかった。
だが巨人も四の五の言ってはいられない。日本でのテレビ放送が無くなった以上、もはや海外に目線を移していかなければ巨人の未来は明るくない。
陽岱鋼だけでなくドラフトでリャオ・レンレイという台湾出身の選手を獲得した。
もちろん王貞治という偉大なる遺産がある。
これで台湾向けのコンテンツは充実出来た。ここから巨人の本格的な台湾戦略が始まる。