着々と進む巨人の大型補強。
先発左腕の吉川、先発完投型の山口、サウスポーセットアッパーの森福、サードとファーストを守れるマギー、驚異的な守備範囲の陽岱鋼、ショートとセカンドを守れるドラ1吉川。
これで全てのパーツが揃った。もう十分だろ!と思いたいところだが、今年、昨年と巨人は勝負を決める大きな柱を2本失っている。
その柱は補強できていない。
勝負を決める切り札
代打の神様
セ・リーグの野球は投手が打席に立つため、勝負どころでの代打の切り札を軽視していはいけない。
絶対的切り札があるかないかで勝数は10近く変わるかもしれない。
近年、そんな代打の切り札として存在していたのは、現監督の高橋由伸。
そんな由伸が抜けた穴は大きかった。
今シーズン勝負どころでの代打策はことごとく失敗に終わった。
最も多く代打で起用されたのは堂上。
しかし堂上の代打成績は、34打数5安打でなんと打率は147と奮わなかった。
期待の亀井も代打では17打数4安打の打率235。
ベテラン脇谷も28打数4安打で打率143。
軒並み代打では結果を出せずにいる。
今シーズン大型補強を進めている巨人だが、今のところレギュラー陣の補強がメイン。
その煽りで代打に回る選手で、結果を残せる人材がいればいいのだが、今のところ見つからない。
来季こそ、代打オレを現実にするためにも、高橋由伸が現役復帰してくれればイイのだが・・。
代走の神
今シーズンを最後に現役引退を発表した鈴木尚広。
実は巨人にとって最も大きな存在を失ったのかもしれない。
投手戦でなかなか点が取れない苦しい展開。終盤に貰ったフォアボールをキッカケにノーヒットで1点を搾り取る。そんな野球が出来たのは、代走の神鈴木尚広がいたからだ。
もちろん足の速い選手はいくらでも揃っている。
片岡、重信、藤村、松本。
でも鈴木尚広クラスに彼らが成れるとは到底思えない。
鈴木尚広は、レギュラーとして活躍する道を捨てた。自分の生きる道は代走しか無い。と完全に割り切って己の仕事を全うした。
そこまで代走という職業に全てを捧げる人材は、今後出てこいという方が難しいだろう。
二人の神
代打と代走の二人の神の後継者は、なかなか出てこないし他球団から補強できるものではない。
華やかなレギュラーの座を諦め、自分の生きる道はここしか無い!と決めた時、神へと近づくルートにたどり着く事ができる。
代打の神へと近づく男。それはマギー補強でそろそろスタメンが苦しくなっている阿部慎之助か?
代走の神へと近づく男。ここはまだ候補すら見つからない。
チームの柱となる切り札は、そうそう出てこないものなんだよなぁ。