立岡宗一郎が1軍復帰巨人の苦悩は2番打者不在から始まった


立岡宗一郎がシーズン終盤にしてようやく1軍に復帰した。

しかし立岡がいない間コロコロと入れ替わったもう一つの外野のポジションは、亀井が担っている。

立岡が開幕当初のようにレギュラーの座をもう一度奪い取ることは出来るのだろうか?

立岡宗一郎

異色の経歴

立岡は生え抜きの選手ではなく、ソフトバンクからの移籍組。

ソフトバンク時代は出場機会に恵まれず、キャリアのほぼすべてをファームで過ごす。

そして2012年巨人へトレード。

そこからの経歴が異例すぎるほど異例。

なんと守備の際に交錯し左肘の靭帯を損傷。

元々秋山二世と呼ばれた俊足で大型の右打者だった立岡は、痛む左肘を考慮して左打者に転向する。

投手から野手への転向、オーバースローからサイドスローへの転向、右打ちまたは左打ちからスイッチへの転向というのはよくある話だが、右打者から左打者への転向というのは珍しいスタイルだろう。

しかしその左打ちが立岡の人生を変える。

2015年そのスピードが買われ1軍に昇格すると、スピードよりも打撃でアピールし始める。

シーズン半ばから外野手のレギュラーとして定着し、打率304の好成績を残した。

2015年シーズン貧打に泣いた巨人。規定打席到達者で誰一人3割が打てない中、規定打席には達しないが3割を打った立岡は、翌年のレギュラー間違い無しと思われた。

その勢いそのままに、2016年シーズンも立岡は打ちまくる。

ソフトバンクはこんな良い選手を失ってガッカリしてるだろうなぁ、と鼻が高くなるほどの活躍だったが、その勢いはゴールデンウィークまで続かなかった。

4月の終わり頃から徐々に調子を落とし、3割どころか2割5分を割るようになり、スタメンから外れ、続けざまに故障し2軍へと旅立っていってしまった。

立岡の復活

思えば立岡の失速と同時に巨人も失速し始めた。

開幕当初打ちまくったギャレットは沈黙。クルーズは故障。立岡も打てない。阿部慎之助はまだ帰って来ない。

交流戦前には勢いを失い、オールスターを迎えた頃には鯉は悠々と泳ぎ始めていた。

今年は昨年に比べてチーム打率は上がったが、その分機動力を失った。

後半戦阿部、村田、ギャレットが息を吹き替えしたが、打って走ってかき回せる選手がいない。

やはり立岡の存在はかなり大きい。

昨年からシーズン序盤の立岡の姿を取り戻せることが出来れば、FAで糸井や陽岱鋼に手を出す必要もなくなる。

巨人の浮上は立岡にかかっていると言っても言い過ぎじゃないのかもしれない。

今は亀井が代役を勤めているが、亀井には機動力がないしシーズン等して活躍できる体力がない。

橋本はとにかくムラが有りすぎる。

大田はいつまで経っても本気を出さない。

となればやはり立岡しかいない。

もう今シーズン立岡が戦力なることは無いだろう。

来年もう一度立て直し、レギュラーの座を奪い返さなければいけない。

そうでないと、2009年1シーズンだけ活躍した時の栄光を引きずる亀井のような存在で終わってしまうだろう。