昨年貧打に泣いた巨人の指揮官は原監督。
監督在任12年で7度のリーグ制は、3度の日本一、そして第2回WBCの優勝監督。
名将の名を欲しいままにしてきた原前監督は、動きに動いてなんとか点をもぎ取っていった。
一方新人監督の由伸監督は、微動だにしない。
正に静と動。
動くのが正なのか?動かないのが正なのか?
由伸監督
由伸スタイル
感情を表に出さないクールな由伸監督は、采配もクールだった。
昨年までは結果が出ないとホイホイと動かされていた打順も、今年はじっと我慢でなんとか固定し続けた。
不調の選手にエンドランを仕掛けることもなく、主軸に犠打を命じるケースもほとんどなかった。
選手を信頼した采配は、確実に実を結んだと言える。
坂本が覚醒し首位打者確実な位置にいる。
村田が蘇り不動の5番打者として復活した。
阿部慎之助も規定打席には到達していないが3割をマークし、4番として機能した。
前半戦不調にあえいだギャレットもホームランを22本まで積み重ねた。
選手の個を大事にする我慢、我慢の由伸采配は、確実に選手の個の能力を高めてくれた。
チーム打率もなんとか最低目標の250まで届いてきた。
得点力
それじゃチーム打率が上がり、得点力は上がったのか?
まだ10試合程度残っているが現時点の得点は476点。
昨年の得点は489点。
とゆー事は、大して変わっていないということ。
昨年のチーム打率は243、ホームラン数は98本。
それが今年は250、ホームランも118本と打力は大きく改善しているのに得点力は上がっていない。
なんでだろう?
去年と決定的に違うのは機動力。
昨年の盗塁数はリーグトップの99に対し、今年は最下位争いの57。
打つようになったが走れないチームに戻ってしまったのだ。
一時の巨人はFAと外国人補強で4番打者ばかり集め、野球盤野球と揶揄されたことがある。
それが今年復活してしまった。
4番阿部、5番村田、6番ギャレット、7番クルーズ。下位打線はみんな走れない。
長打力は増加したが、機動力がないため得点に結びつかなくなっている。
優勝した広島は、チーム打率275、ホームラン144本と打力でも群を抜いているのに、盗塁数も113。
打てるし走れるチームに、ちょっと打てるようになったけどその分走れなくなったチームが勝てるわけがない。
来年の由伸采配は?
来年主軸はさらに年齢を重ねる。
阿部、村田に頼り切りになるわけには行かない。
打てるけど走れない選手をいつまでも主軸に起用していたんじゃ、チーム力は上がらないのかもしれない。
来年は打てない時こそ動く野球も必要になるのかもしれない。
んがしかし、由伸監督は動かない気がする。
じっと耐えて選手の個を重視する采配を貫き通すのでは無いだろうか。
今年は優勝には届かなかったが、来年以降個を重視する姿勢は生きてくるかもしれない。
来年の由伸スタイルがどう変貌していくか?注目しながら見ていきたい。
てゆーか、今シーズンはまだ終わっていないw