ボストン・レッドソックスの上原浩治が、リリーフ登板するも1人を打ち取っただけで緊急降板となったようだ。
胸筋のハリという珍しい理由での降板だが、さすがに41歳にもなればこんなこともあるだろう。
しかし、なぜ上原は41歳になってもバリバリのメジャーリーガーでいられるのか?
上原浩治がメジャーで活躍できるのは?
雑草魂
今やメジャーのクローザーの立場いる上原がよく自分を表現していた言葉が、この雑草魂。
ドラフト1位で巨人に入団した選手のどこが雑草なんだ!とよく回りからは言われていたが、確かにエリート街道ではない。
東海大仰星高校時代は、後に日ハムに入団した建山義紀の控え投手。
大学受験に失敗したため、一浪時代は道路工事のアルバイトまでしていたらしい。
名門校で甲子園に出場し、華々しくスターとして入団したドラ1とはちょっと違う。
しかし、巨人入団後の彼は光り輝いた。
同期のドラフトといえば松坂大輔一色。
高卒と大卒の違いはあれど、松坂よりもプロで最初に実績を上げたのは上原。
調子の悪いチームの中、一人孤軍奮闘し、一年目から20勝を上げ投手4部門のタイトルを全て独占するほどの大活躍。
当時の上原のピッチングは、リズムもテンポもよく、フォアボールをほとんど出さない。
見ていてこれほど心地よいピッチャーは今でもお見かけしないほどの衝撃だった。
メジャーでの活躍
満を持してメジャーに移籍したが、移籍1年目は身体も投球もボロボロだった。
球威のない上原にはメジャーは無理だよ。。
誰しもがそう感じた数年後、彼はメジャーでもトップクラスのクローザーになっていた。
なぜ上原はメジャーでこれほどまでの成績が残せるのか?
140キロ前後のフォーシームとスプリットの2種類しか無いというのに。
そんな上原の生命線は、やっぱりフォーシームだろう。
鍛えぬかれた下半身から繰り出されるフォーシームは、とにかく回転数が多い。だから手元で伸びる。
球の出どころの見えにくいフォームも手伝い、140キロ前後のフォーシームにメジャーの強打者のバットがクルクル回るのだから見ていて爽快だ。
だがそれより何より特筆すべきは、上原のコントロール。
巨人時代から登板前にブルペンにほとんど入らず、遠投だけで調整する姿が話題になっていたが、あの完全試合を達成した槙原寛己が「あいつは天性のコントロールを持っている」と絶賛するほど、コントロールには昔から自信があったのだろう。
投手はスピードでもなく変化球の種類でもなく、最も大事なことはコントロールということを上原が身を持って表してくれている。
ただここのところまたケガが増えてきているのが気がかり。
40を超えると故障しやすくなるが、故障さえなければまだ数年彼はメジャーの第一線で活躍できるだろう。
それほどの技術力と精神力を備えているから。