FA宣言で山口も陽岱鋼も涙の記者会見!活性化しない日本のFA市場


DeNAの山口俊はFA宣言後の記者会見で大粒の涙を流した。

北海道日本ハムファイターズの陽岱鋼は、記者会見で自分はこの球団から離れるべきだと悲しい顔をした。

なぜ日本のFAはこんなにも悲壮感が漂うのだろうか?

FA権

FAとは?

職業選択の自由は日本国憲法で定められている権利である。

ただし日本の高校生が日本の大学生がプロ野球選手になるには、ドラフト制度というシステムにより「くじ引き」で所属先を選ばれ分配される。

これは職業選択の自由に反すのではないか?という意見もある。

しかしプロ野球選手は、会社員ではない。

自分の実力で厳しい戦いを勝ち抜いていかなければならない、個人事業主の集まりだ。

プロ野球界という入り口をくぐるためには、ドラフト制度を経なければならない。

そのフィールドで争う権利を獲得するためには、まずドラフト制度というシステムを受容しなければならないだろう。

しかし、その代わりにフリーエージェント制度というシステムが用意されている。

一定期間球団に在籍し、一定以上の試合に出場したら与えられる権利。

試合に多く出れば早く獲得できるし、出られなければ獲得できない。つまり球団に貢献した選手だけが獲得できる権利。

この権利を利用して好きな球団に行くことが出来る。

自身の故郷で暮らしたいのならその場所に近い球団を選べばイイ。

出来るだけ高いお金をくれる球団がイイのならそこへ行けばイイ。

優勝したい!強いチームに行きたい!のならその球団へ行けばイイ。

引退後も面倒見て欲しい!というのなら手厚い球団へ行けばイイ。

一定以上の実績を残し、晴れて好きな球団を選べるのがFA制度。涙なんか見せる必要はどこにもない。

FAの活性化

FA選手を多く獲得する阪神タイガース、読売ジャイアンツ、ソフトバンクオークスは時に批判の的になることがある。

奇しくも2016年の日本シリーズは、FAで選手を獲得しない方針の北海道日本ハムファイターズと広島カープが覇権を争った。

FAで選手を補強して勝っても金満球団と呼ばれ、自前の選手を育て上げたチームがもてはやされる。

FAは、そんな歪んだ感情を駆り立てるために出来た制度ではない。

プロ野球選手会が長年球団と掛け合ってようやく獲得した制度だったはず。それなのにこんなに悲哀に溢れた状況でイイのだろうか?

FAで選手を獲得する方針のチームは、その分FAで実績を上げた選手を優遇する。阪神タイガースが金本を監督にしたのが良い例だ。

自前の選手で勝負する球団は、その分選手が成長し過ぎて給料が高くなった放出してしまう。日本ハムがその典型だ。

FAで出ていった選手が晩年帰ってきて恩返しをする。広島カープがそんな前例を作った。

どのチーム方針が正しいのかは分からない。

2016年は自前の選手を育て上げた球団が勝ったが、来年以降阪神、巨人は巻き返しを図っている。

そんなチームカラーの異なる球団が競い合うからプロ野球は面白いのではないだろうか?

FA権を行使して移籍するも人生。FAせずにずっとチームに残るのも人生。

いずれにしろ寿命の短いプロ野球選手生活。自分の思い通りにやればイイじゃないか!