10月12日の中日戦。
巨人先発の桜井俊貴が突如乱れた。
初回を幸先よく三者凡退で抑え、見方が2点を先制してくれた直後、二死を簡単に奪うもその後フォアボールを提供し、阿部に同点ホームランを食らう。
そこで止めればまだよかったのに、その後ピッチャーの福谷にまでタイムリーを食らい一気に逆転されてしまった。
- 見方が点を取った直後
- ツーアウトからフォアボール
前回登板後、原監督から「子供ちゃんが野球をやっている」と苦言を呈されたにも関わらず、また同じ過ちを繰り返す桜井。
桜井はいつになったら一本立ちしてくれるんだ!!
桜井俊貴という投手
外れではないドラフト単独1位指名
ここ数年、鍬原、高橋とドラフトのハズレ1位組が思ったような結果を出せていない。
やっぱりハズレ1位はダメなのか・・・
と、ついつい思いがちだが、勘違いしてはいけない。
桜井俊貴は紛れもない単独でのドラフト1位指名なのだ。
もちろん、桜井が指名されたあの頃、あんなことやこんなことで巨人軍は揺れていた。
極力クリーンなイメージの選手を選ばなければイケなかった事情は痛いほど理解している。
だけどやっぱり1本釣りのドラフト1位なんだから、ある程度・・いやいやかなり期待されてもそりゃあ仕方ない。
桜井がデビューした当時、スポーツ報知はちょくちょく1面で取り上げていた。
桜の開花と同時にドラ1桜井も開花だ!
だとか、桜井がカーブを投じると・・・
魔球サクラドロップだ!
だとか・・・
ダジャレ好きの昭和のオジサンが作っているスポーツ新聞では、桜という名前をもじっていろいろとイジられていた。
てかまぁ、当時はそんだけ期待されていたんだよ。
それが1年目に1軍で1勝しただけで消えていき、その後は2軍と1軍を行ったり来たりの生活が続いていた。
オイオイ!桜井!このまま終わっちゃうのかよ・・・
2019年シーズン、開幕1軍切符をつかんだ桜井だったが・・・
中継ぎでカープで登板しボコボコにされた時、正直桜井はもうダメだ、心の中では終了フラグが立ちかけていた。
まさかの覚醒
しかし、そんな桜井にビッグチャンスが巡ってきた。
大黒柱の菅野が腰痛で離脱し、2枚も3枚も足りなくなった先発ローテーション。
そんな苦しい状況で始まったセパ交流戦、楽天戦の3戦目の原監督は桜井を先発に抜擢した。
巨人ファンはゲームが始まる前から半ばあきらめモードだったが、桜井は先発起用に見事に応えてくれた。
楽天戦に2勝1敗と勝ち越し、ここから巨人は交流戦流れに乗っていった。
次の桜井の対戦予定は西武。
さすがに山川、秋山、中村、森と強打者が並ぶ山賊打線には通用しないだろ・・・
そんな不安も根こそぎかき消すような怪投を桜井はプロ野球ファンに見せつけてくれた。
スポーツ新聞には「桜井ついに覚醒」の見出しが並び、単独指名のドラ1桜井はようやく満開の桜を咲かせてくれた。
2020年再度失速
コロナ影響で特別な年となった2020年。
シーズン開幕前、巨人の先発ローテーションは以下の6人に絞られていた。
菅野、サンチェス、メルセデス、田口、桜井、戸郷。
とはいえ、韓国での実績はあるがオープン戦、練習試合では結果の出なかったサンチェス。
昨年、中継ぎで奮闘したが先発復帰には不安が残る田口。
まだ2年目のドラフト6位、初めてローテーションに入る戸郷。
開幕前この3人は未知数という評価は否めなかった。
となれば、首脳陣はエース菅野、6回までなら安定しているメルセデス、そして昨年8勝を挙げて覚醒した桜井を3本柱くらいの期待を持っていたはずだ。
だが・・・
桜井は、そんな期待を面白いほど簡単に裏切ってくれた。
7月2日DeNA戦で8回1失点という好投を見せたが、今シーズン輝いたのはそこだけ。
その後は不安定な登板を繰り返し、またもや2軍調整を命じられてしまう。
メルセデスが抜け、直江も抜け、今村・田口はピリっとしない、戸郷も疲れが見え始めた頃、死神の異名を持つ中継ぎエース中川まで離脱してしまった。
今こそ先発投手が必要な時なのに桜井は結果を残せずにくすぶっている。
毎年満開に咲く桜は、2週間も経てば儚く散っていく。
去年満開の花を咲かせた桜井は、たった1年で散ってしまったのだろうか?
来年、遅くても再来年、日本のエース菅野は海を渡るだろう。
その穴はとてつもなくデカい。
滋賀県から琵琶湖がなくなるくらいのインパクトだ。
その穴をまだ2年目の戸郷、直江に埋めろ!というのは酷すぎる。
桜井にはそろそろ一人前の大人になってローテの柱に成長してもらわないと困るのだよ。
今シーズン、まだ試合は残っている。
結婚したばかりの奥様を安心させるためにも、昨年の輝きをもう一度取り戻してほしい。
オレは心から桜井の復活を願っている。