沖縄・宮古島で自主トレを張っている吉川光夫。
北海道日本ハムファイターズからやって来た期待のサウスポーは、今季巨人大型補強の目玉の一人。
果たして吉川光夫は激戦区のローテーションを勝ち抜き、田口と共にサウスポーの柱になることは出来るのだろうか?
吉川光夫に大きな期待をかけてもイイのか?
巨人というプレッシャー
記者に囲まれ自主トレを公開。こんなことは日本ハム時代には無かったことだろう。
すっかり球界の盟主の座から滑り落ちた感のある巨人だが、腐っても鯛。まだまだ注目度は高く騒がれ具合は他球団とは比べ物にならない。
これからは終始記者に囲まれる生活が続き、結果が出なければ容赦なく叩かれるチームに移籍してきてしまった。
元来プレッシャーに弱いと称される吉川光夫が、こんな環境の変化に耐えられるのだろうか?
吉川光夫の現在
移籍当時は、今の自分よりも過去の実績をベースに語られる事が多い。
その典型が清原和博と片岡治大。
清原は巨人移籍直前の数年は、すっかり確実性を無くしホームランか?三振か?という荒っぽい打者に変貌していた。
それでも巨人ファンが求める清原の姿は、勝負強く確実性の高い打者。3割30本は当たり前!という姿を求められる。
清原が3割打ったのなんて、巨人移籍する6年も前の話なのに。
片岡にしても同様。
片岡といえば俊足。巨人にない機動力を発揮して塁上をかき回して欲しいとファンは願っていたが、片岡が盗塁王を獲ったのは巨人移籍の3年前。
どうしても移籍当時の姿と全盛期の姿を見間違えてしまい、移籍と同時に全盛期に戻れるのでは?とファンは期待してしまうもの。
だが現実はそんな簡単じゃないよ。確かにチームを変え、環境を変えることで一気に成績が上がることもある。
んがしかし、今持っている実力以上のものは出せと言われてもおいそれとは出せないモノだ。
と話は吉川から遠ざかってしまったが、そんな吉川も14勝5敗、防御率1.71でパ・リーグMVPに輝いた頃の姿を追い求められる。
しかし吉川がそんな輝かしい実績を挙げたのは2012年で既に5年も前の話。
2013年以降の吉川は全盛期の姿を取り戻せず苦悩の日々を送っている。
2015年には久しぶりに二桁勝利を上げたが、2016年シーズンは不調で2軍落ちし、クローザーのマーティンが負傷したことにより急遽クローザーも任された。
でもクローザーでも結果を残すことは出来なかった。だから日本ハムだってトレードに出したのだ。
そんな吉川がいきなりローテーションの柱に入り、二桁勝利を上げるなんてよほど調子が良くなければあり得ない。
だからあまりにも大きな期待をかけ過ぎてはイケないと思ってる。
もちろんFAで移籍してきた山口には大きな期待をかけている。だが吉川光夫はローテの5番目を争う投手。もしローテが無理ならセットアッパーとして使おうよ。
吉川光夫が背負う事になった背番号は21。
昨年66歳という若さで亡くなられた鉄仮面こと加藤初氏が背負っていた背番号だ。
ファンはあの淡々と仕事をする加藤初の姿を吉川にかぶせるかもしれない。
いや違う。吉川が背負う背番号21は宮本和知だよ。
常に3本柱の後に続くローテの4番手から5番手を争い、優勝が決まる美味しいシーンだけ持っていくちょっと頼りない左腕。
絶対的な存在ではないが、要所を占めてしっかりと優勝に貢献する。そんな宮本的キャラを吉川には期待している。
あまり背負いすぎてはイケない。吉川には吉川の立ち位置があるはずだから。