2016年のドラフト会議は大卒の即戦力右腕に注目が集まった。
創価大学の田中正義に6球団が競合。競合しすぎて桜美林大学の佐々木が1位から漏れるほどの人気になった。
しかし巨人は田中を外し、佐々木を外し、諦めて獲得したのが吉川尚輝。
残り物には福がある。吉川尚輝はハズレ1位のスーパースターになることは出来るのだろうか?
外れ1位のスーパースター
巨人にはドラフトハズレ1位のスーパースターが二人いる。
斎藤雅樹
通算180勝、2年連続20勝、11連続完投勝利の日本記録保持者。ミスター完投と呼ばれたサイドスローの大エース斎藤雅樹は、1人目のハズレ1位のスーパースター。
1982年に巨人がドラフト1位で指名したのは、早稲田実業学校の荒木大輔。
甲子園を沸かせたスーパーアイドル荒木は、大ちゃんフィーバーと呼ばれるほどの大スターだった。
爽やかなマスクは特に女性に大人気。ヤクルトに入団直後、一度も一軍で登板していないのに自社のコマーシャルに出演するなどアイドル的な存在。
んがしかし、荒木はプロ入り後大いに苦しんだ。
1軍の壁に跳ね返され、右肘の故障に泣き、プロ通算39勝と不本意な成績に終わった。
斎藤雅樹と比べられるのはとても心苦しいだろうが、巨人にとっては外れて正解の例になってしまった。
坂本勇人
2016年打率344でセ・リーグのショートとしては最高打率で首位打者を獲得。2012年には最多安打のタイトルも獲得している。
巨人の若きキャプテンであり、今や球界No1のショート。そんな坂本勇人もハズレ1位のスーパースター。
2006年巨人が高校生ドラフトで1位指名したのは堂上直倫。
中日、阪神、巨人と3球団が競合したが指名権を獲得したのは中日ドラゴンズ。
高校ナンバーワンスラッガーと呼ばれた堂上の成長は大いに期待されたが、なかなか芽が出てこなかった。
一方の坂本勇人は、入団2年目からレギュラーを獲得し、どんどんスターダムを駆け上がっていく。
比較され続け、悔しい思いもしてきただろうが、2016年ようやく戦力になりつつある。
とはいえ131試合に出場し打率254、ホームラン6本という数字はファンにとっては物足りない。
本人も坂本勇人を強く意識しているようで、ラジオのインタビューでも今は負けているがいつかは追い越したいと語っていた。
だが坂本勇人は遥か遠い存在になっている。堂上の苦悩はこれからも続くだろう。
二人のハズレ1位
斎藤雅樹、坂本勇人の二人はよくハズレ1位で残っていたなと思えるほどスーパースターに成長した。
果たして吉川尚輝はそんな二人のスーパースターに少しでも近づくことは出来るのだろうか?
他球団の評価を聞くと、ドラフト1位の器ではないのでは?という声も聞こえる。
さらにクルーズ、片岡、山本等先輩がひしめき合う激戦区で戦わなければイケない。
だが外れでもドラフト1位。期待は大きい。
大卒のドラ1たるもの数年後に戦力になる!なんて弱気な姿勢では斎藤、坂本の足下にも及ばない。
1年目からレギュラーを勝ち取る意気込みがあれば、必ずやハズレ1位のスーパースターに駆け上がれるはずだ。