プロ野球に限らず各スポーツ界ではウェイトトレーニングを利用した肉体改造を行う選手が増えている。
メジャーリーグ、レンジャーズのダルビッシュがその典型。
自らをボディビルダーと名乗るほど筋肉の鎧を纏い結果を出し続けている。
一方マーリンズのイチローは、肉体改造を真っ向から否定する。果たしてこの論争どちらに軍配が上がるのだろうか?
肉体改造
成功した例
去年のオフ、北海道日本ハムファイターズの大谷翔平がダルビッシュ門下に入り肉体改造に着手した。
一時は100キロを超える増量に成功し、今シーズンMVPに輝く大活躍を見せた。
特にその効果は打撃の方に顕著に現れ、ホームラン数は昨年の5本から4倍増以上の22本に激増。
ダルビッシュ曰く、打撃に必要な筋肉をつければ、打撃の方が結果が出やすい。ピッチングは筋肉を効果的に投球に結びつけるまで時間がかかるとのこと。
確かにその言葉通りの結果が大谷翔平で出ている。
今年はさらに阪神の藤浪晋太郎、楽天の則本昂大もダルビッシュ塾へ入門している。
ゴルフの松山英樹も肉体改造に成功した例。
元々恵まれた体型をしていたが、ここ1年位で大幅に身体を大きくしている。
肉体改造に成功したことにより、ドライバーの飛距離が伸び、安定した方向性も実現している。ここ5試合で4勝。来年はメジャーも世界ランキング1位も狙えるほどに充実している。
失敗した例
肉体改造には成功したがそれにより選手寿命を大幅に縮めてしまったのが清原和博。
清原は巨人移籍後、大不振に陥り肉体改造を決意。
見事にビルドアップされた身体で、当時全盛期の松井のヘッドスピードを上回る筋力を身に付けたが、その反面下半身に爆弾を抱えてしまう。
晩年は野球どころか日常生活にすら支障をきたすようになり、輝きを失い引退してしまった。
イチローが過度な筋肉増強に否定的なのは正にコレだろう。
過度に増量してしまうと自分が持って生まれた身体のバランスが崩れてしまう。
筋肉は鍛えて大きくすることが出来ても、関節や腱は同時に大きくなることはない。
だから筋肉増強をし過ぎると故障の可能性が高まり選手寿命を縮めてしまう。
現役生活でほとんど故障で離脱すること無く、43歳になってもバリバリの現役で活躍しているイチローの言葉は、さすがに含蓄がある。
果たしてこの論争どちらに軍配が上がるのだろうか?
持論
これはあくまでも持論なのだが、筆者的にはダルビッシュ推しだ。
もちろんイチローのように自身の身体バランスを重視して、過度に筋肉をつけなくても活躍できているのであれば、無理して筋肉をつける必要はない。
イチローはライオンは筋トレなんかしないだろ!と言うが、過度な筋トレをしなくても活躍できるイチロー自体がライオンなのだ。
だけど結果が出ない選手は、ライオンではない。
6年間結果が出ない斎藤佑樹や打率204と打棒が伸びてこない巨人の小林誠司のような線の細い選手は、一回肉体改造に着手してみてはどうなのだろうか?といつも思っている。
特に前述したようにバッターの方が結果がすぐに出やすい。
筋力を上げてヘッドスピードを上げれば、飛距離も出て確実性も上がる。だからこそ結果が出ない選手は四の五の言わずに筋力トレーニングをすべきだろう。
ダルビッシュや大谷翔平のような元々ライオンだった選手が、さらにトレーニングすれば真の百獣の王になってしまう。
結果が出ないシマウマはどうすればいいか?残された道はやるか?やらないか?に2択なんじゃないだろうか?