WBC強化試合4戦目、また大谷翔平が見せてくれた。
6点ビハインドの7回裏。インハイのストレートを強振した大谷の打球は遥か上空に舞い上がり、東京ドームの天井の裏に消えてしまった。
ボールが落ちてこなかったためボールデッドとなりツーベースヒットとなったが、まさに規格外。潜在能力ハンパ無い!
漫画を超える男
東京ドームの屋根のルール
東京ドームの屋根はそもそもベーブ・ルースの打球をベースにし、さらにマージンを考慮して設計されているため、現実的には当たるはずがない!というのが東京ドームが出来た頃の触れ込みだった。
しかしイザ始まってみるとボンボン当たる。
最も印象的だったのは近鉄のラルフ・ブライアントが日本人の角から放ったスピーカー直撃の認定ホームラン。
だが現在はスピーカーは撤去されているため認定ホームランというルールは無いらしい。
なので屋根に当たったら普通にインプレー。屋根にあたってもそのままスタンドに入ればホームランだし、落ちてきたボールを取られたらフライアウト。
今回の大谷のケースはボールが落ちてこなかったため、2つの塁が与えられる。つまりツーベースヒットということ。
その辺のルールは東京ドームシティのサイトに記載されている。
当たらなければ確実にホームランの打球だったのに。シーズン中ホームランキング争いをしていたとしたら、絶対に認めて欲しい打球だろう。
漫画以上
何度も動画で見返してみたが、あんな打球は見たことがない。
以前全盛時のバリー・ボンズが日米野球で来日し、当時巨人の松井秀喜とホームラン競争をしてくれた。
謙遜しながら打席に立つ松井の打球はライトスタンドの冗談に吸い込まれていく。
しかしバリー・ボンズの打球はさらにその上を行く。2階席、さらにその上の壁に直撃するほどの大飛球。
やはりメジャー記録を更新する選手の打球は一味違うという感覚だった。
だが大谷の打球はさらにその上を行った。
通常屋根にぶつかる打球は、放物線の頂点から落ち気味でぶつかるケースが多いのだが、昨夜の打球は屋根に当たる直前にもうひと伸びしようとしていた。
あのまま屋根を飛び越えて東京ドーム初の場外ホームランになるんじゃないか?というほど最早漫画すら超える勢いの打球だった。
一昔前野球漫画の巨匠水島新司氏の作品で「光の小次郎」という漫画があったことを思い出した。
主人公の新田小次郎は新潟県出身のサウスポー。160キロを超えるスピードボールでルーキーイヤーから最多勝を争う大活躍。
小次郎が入団したオリオールズは、設定ではプロ野球のパ・リーグなのでDH制。
しかし小次郎が打撃も素晴らしかったためDHを利用せず打って投げての二刀流。まさに今の大谷翔平の姿そのものだ。
とはいえ、漫画の小次郎は自身が登板している以外の試合で打席に立つことは原則無かった。
大谷は自身が投げない日も打席に立っている。そして20本以上のホームランを打ってしまう。もう漫画の主人公をリアルに超えているので、彼が何次元の人間なのか分からなくなってきた。
あと何年NPBで大谷翔平を見ることが出来るのだろうか?
メジャーで一刀流になってしまうのであれば日本でずっと二刀流やってる方が夢が広がるんだけど。