36歳の杉内俊哉が秋季キャンプに参加し、復活へ向け猛練習を繰り広げている。
華々しい成績を残してきた杉内は、今年やっぱり復活することは出来なかった。
年俸5億円を自ら4億5千万円値引きしてまで勝負した男は、来季こそ復活することは出来るのだろうか?
杉内俊哉
杉内俊哉という男
杉内を語る時に欠かせないエピソードは、2004年のロッテ戦。
2回7失点でKOされるという失態を犯した杉内は、悔しさのあまり帽子とグラブを投げつけて、さらにベンチを左右の拳で殴打するという暴挙に出た。
当時の正捕手城島健司の「止めろ!」という声も全く耳に入らず、杉内は己の無力さと悔しさをベンチに叩きつけた。
その代償は計り知れない。両手の小指を骨折し長期離脱するハメになってしまった。
当然球団からは罰金を命じられ、この年はわずか2勝に終わってしまう。
しかし翌年その悔しさを跳ね除けた杉内は、18勝4敗、防御率2.11でタイトルと獲得し名実ともにパ・リーグを代表する左腕エースに成長した。
巨人にFA移籍後、あわやパーフェクトという準完全試合のノーヒットノーランを達成し、報道ステーションに登場した。
その姿は、とてもプロ野球選手とは思えないようなインテリ風のイケメンの若者。
そう杉内って見た目はクールな感じなのだが、実際はベンチをマウント状態でしばき上げるほどの気性の荒い熱男なのだ!
杉内の生きる道
そんな熱男の帰宅先は、巨人の先発ローテーションではない。
勤続疲労で以前のような輝きを見せられないぐっさんを助ける立場、そうオレはセットアッパーでの復帰を願っている。
だがあの理想の高い熱男がセットアッパーでの復帰で納得するのだろうか?
いろんな球種を追い求めない。
フォーシームとスライダー、チェンジアップの3種類。この球種だけを徹底的に磨き上げた職人はやっぱり先発にこだわりがあるのだろう。
来季もしDeNAの山口の獲得に成功したら、巨人の先発ローテーションは一気に群雄割拠の様相を呈す。
どエース菅野、キレ芸になったマイコラス、若きキラキラネーム田口の3本柱にくわえ、北海道日本ハムファイターズから移籍してきた吉川が加わる。
そこにFA移籍の山口が入れば、残された椅子はあと一つ。
クライマックスシリーズで素晴らしい救援を見せた大竹。今年復活の兆しを見せた内海。2年目のジンクスに泣いた高木。2軍で再優勝防御率のタイトルを獲得した江柄子。さらに何やってたんだポレダ。
これだけの厚い壁を打ち破らなければローテは勝ち取れない。
丸々1年投げられなかった36歳がこの壁を打ち破れるのか?オフシーズンの杉内の戦いは孤独で過酷な道になる。