体操の内村航平がプロ宣言することになった。
オリンピック個人総合2連覇、世界体操競技選手権6連覇という華々しい記録を残す内村がこの度プロ化宣言した理由はなんなのか?
様々な葛藤があったのだろうが、その内容を見ていきたい。
プロとアマチュア
内村航平の経歴
内村航平の華々しい実績は今さら語る必要が無いほど素晴らしい。
オリンピック個人総合2連覇、メダル獲得総数7つ。
世界体操競技選手権個人総合6連覇。種目別では19個のメダルを獲得している。
これまでもオリンピックで活躍した体操選手は数多くいる。具志堅、森末、池谷など。
しかし内村航平はそんな歴代の選手を完全に凌駕している。体操界で生きながらレジェンドになってしまった偉大な男なのだ。
内村航平の年収
そんなトップアスリートの内村航平だが、現状はプロスポーツ選手ではなく、コナミに所属している一般の会社員。つまりはサラリーマン。
コナミと言えども内村が所属しているのは、正確には株式会社コナミスポーツクラブ。
ゲームの企画、開発、販売を行っているコナミではなく、主にスポーツクラブ等の運営をしている企業なのだ。
そして気になるコナミの年収は、平均688万円と言われている。
しかしそれはコナミ本社の話。
コナミスポーツクラブは、系列会社になるため、通例なら本社よりも収入は下がるだろう。
となれば、内村航平は27歳。
大企業は未だ年功序列の古い体制が残っているため、内村の年齢なら年収は450~500万円程度なのではないだろうか?
世界総合2連覇の男でもその辺のサラリーマンと同じ程度の年収なのだ。
しかし内村の場合、そこに様々な収入が加わる。
まずはコマーシャル出演料。
内村のコマーシャル出演料は1本当たり1000万円というデータがあるが、現在内村は5本程度のCMに出演している。
とはいえ、1年間通して放映されるCMではなく、オリンピック前などの限られた期間に放映されるスポットCMが多いため、出演料もその分削られる可能性はある。
となれば、内村のCM収入は多く見積もっても3000~4000万円程度なのではないだろうか?
さらに今年はオリンピックのメダル報奨金を受け取れる。
メダルの報奨金は、各競技により異なり、水泳の場合金メダルで3000万円だが体操はわずかに50万円。
内村のリオオリンピックのメダル獲得は団体総合と個人総合の金メダル2つなので100万円。
しめて内村の推定年収は多くても4500万円程度なのではないだろうか?
体操界の未来
体操界で一時代を築いた男でも年収5千万円に満たないようでは、夢がなくなってしまう。
プロ野球の世界であれば、たった1年活躍しただけで年収は2倍、3倍と増え、さらに成功すれば数十億という金額を手にすることが出来る。
もちろんプロスポーツとして確立しているプロ野球の市場と体操の市場では、格段の差があるが、それでもこの格差は同じアスリートとして受け入れがたいだろう。
内村が体操のプロ選手として活躍し、後進に道を拓くことが出来れば大きな功績になる。
体操界のレジェンドは、新たな開拓者にならなければイケない。内村航平は自分の立場を理解して、一歩踏み出す勇気を持ったのだろう。