2016日本シリーズは、北海道日本ハムファイターズが2連敗のあと4連勝で10年ぶりの日本一に輝いた。
やはり11ゲーム差をひっくり返したチーム力は伊達ではなかった。
一度勢いがついた日本ハムを広島カープは止めることができず、最後は完全に飲み込まれてしまった形になった。
日本ハムのチーム作り
大谷翔平の脅威
8回表の攻撃は驚異的だった。
2アウトから西川が出塁し、機動力を活かすかと思いきや怒涛の3連打で2死満塁。
打席には4番中田翔。そしてこの時ネクストバッターズサークルに大谷翔平が代打でスタンバイを始める。
まさに前門の虎、後門の狼。
この姿に完全に飲まれてしまったジャクソンは中田翔に対して全くストライクが入らずストレートの押し出し。
終盤1点をもぎ取った日本ハムは、大谷をあえて使わずに好投を見せるバースの続投を選択。
だがこのバースがタイムリーヒットを放ち追加点を取ってしまった。
こうなるともう止まらない。
次に控えるのは寿司好き助っ人レアード。
もうたくましいヒゲが虚しく感じるほどビビりになっている広島ジャクソン。レアードにも全くストライクが入らない。
そして苦し紛れのスライダーが真ん中に入る。
甘いスライダーはレアードの大好物。コレを逃していたらホームラン王にはなれないよ!とばかりのグランドスラム。
一挙6点を奪い試合を決めてしまった。
西川の巧打、中田の威圧感、大谷の脅威、レアードの爆発力、チーム全体の粘り。すべてが凝縮した8回の攻撃は背筋が凍るようなシーンだった。
チーム作り
栗山監督は2012年ジャイアンツに敗れた日本シリーズの借りをなんとかして取り返したかったとのこと。
驚くのはたった4年で見事に違うチームに切り替えたところだ。
指名打者を使える試合の打線を当時の巨人と見比べてみよう。
巨人
1 長野
2 松本哲
3 坂本
4 阿部
5 高橋由
6 村田
7 ボウカー
8 亀井
9 寺内
日本ハム
1 陽
2 今浪
3 糸井
4 中田
5 稲葉
6 小谷野
7 ホフパワー
8 大野
9 金子誠
巨人のスタメンは4年前とほとんど変わらない。
2番松本が橋本や立岡に代わり、由伸が引退したのと、ボウカーがギャレットに変わったくらい。
一方の日本ハムは、当時のスタメンで残っているのは1番の陽岱鋼と4番の中田翔だけ。
4年間で見事に違うチームに仕上げ、日本一にまで登りつめたしまったのだ。
日本ハムは、主力選手の移籍を引き止めることはしない。むしろ主力選手がいなくなることによりチームが活性化し、新たな戦力が育つのだ!という方針でチームを作っている。
ダルビッシュがいなくなっても大谷翔平が出てくるように、チーム全体が強くなる方向に向かっている。
日本ハムのチーム構成。栗山監督の信念。若返ったチームの勢い。
その全てが重なり合い掴んだ日本一。
日本一に相応しい素晴らしいチームだった。おめでとう北海道日本ハムファイターズ。