2016年日本シリーズ第3戦。地元北海道に帰ってきた北海道日本ハムファイターズはこの日も苦しい戦い。
2対1と土壇場に追い込まれた8回中田翔の執念の逆転タイムリーツーベースで逆転するが、逆転と言えば今年の広島の専売特許。
すぐさま追いつき延長へ。重苦しい雰囲気の中、最後に決めたのはやはりスーパースター大谷翔平だった。
大谷翔平の打撃
技術の進化
2連敗で北海道対戦に臨んだ北海道日本ハムファイターズだが、ここで負けると崖っぷち後がない状況に追い込まれるところだった。
広島カープの先発はこのシリーズ限りで引退を決意した黒田。
試合はエルドレッドの3戦連発もあり、終始カープペースで進んでいく。
追い越してもすぐに追いつかれ、ムードは決して良くない。
延長までもつれた10回裏、1アウトから西川が出塁。送りバントも考えられるシチュエーションだったが栗山監督は強行を選択。
しかし陽岱鋼が期待に応えられずアッサリと三振。
そして満を持して千両役者が登場。
だがこの日の大瀬良大地のキレ味は抜群だった。
2年目のジンクスからなのだろうか?自信を失っていた大瀬良だがやはり2014年の新人王は伊達ではない。
ストレートは140キロ台後半で高めに突き刺さる。スライダー(カットだろうか?)、フォークも低めに制球される。これではなかなか攻略しづらい。
広い札幌ドームさすがの大谷でも大瀬良から長打は厳しいのでは?と思われた矢先、試合が動き出す。
西川が気合の盗塁を敢行しツーアウトランナー2塁となった。
カウントは1ボール2ストライク。敬遠も考えられたが、中田はこの日当たりはショボかったが逆転タイムリーを放っている。しかも同じように大谷との勝負を避けて。
2ストライクと追い込んだ大谷と勝負か?純粋に中田と勝負か?
広島ベンチは大谷勝負を選ぶ。
追い込んでいる以上、大谷と勝負を選んだ広島の選択肢を攻めることは出来ないだろう。
大瀬良のボールはインコース低めの見逃せばボールになるか?という難しいコースのストレート。
このボールに瞬時に大谷の身体が反応。前足をクルッと回して1、2塁間をサラリと割ってしまう。
長打力だけがフューチャーされる大谷だが、技術力も格段に進化している。やはり打率322の成績は伊達じゃない。
ドラフト戦略
北海道日本ハムのドラフト戦略は賛否両論がある。
履正社の山口投手の件でも物議を醸している。
もちろん大谷のドラフトもいろいろあり、今でも未練たらたらで不満をぶちまける関係者もいるようだ。
しかしドラフト1位というその年最高の素材を仕入れることが出来るドラフト会議で、入団拒否というリスクを背負ってまでも勝負する日本ハムのドラフト戦略は間違っていない。
それを大谷翔平が証明している。
いくらメジャー志望でも最高の素材であるのなら、逃げずに勝負しないといけないことが立証された。