広島カープの黒田博樹が男気入団から2年引退を決意した。
黒田の年齢は41歳。来年には42歳になるがまだまだ現役バリバリ。今やめるのはもったいないという気持ちもあるが、本人が決めたことだから仕方がない。
引退会見の「悔いはない」という言葉を聞いて何故か安心感のような気持ちが漂ってきた。
黒田博樹が引退
成績の問題か
日本シリーズを控えたこの段階で引退を発表したため、黒田の本音はまだ聞こえてこない。
しかし黒田の気持ちの中に先発として完投できなくなった。ということが大きなネックになっていたのかもしれない。
昨年は男気入団で黒田フィーバーとなったが、11勝8敗。
今年は1年間ローテーションを守り抜き10勝8敗。防御率3.09。
他球団の20代のエースよりも数段上の数字を残している。
しかし完投数は昨年も今年もわずかに1度。
先発完投が出来ないジレンマは黒田の中で大きかったのだろうか?
とはいえ、黒田は日本プロ野球に在籍していた頃は毎年10回以上の完投を記録していたが、ここ10年はほとんど完投していない。
もちろん分業制がしっかりしているメジャーではそもそも完投が少ないのだが、40歳を過ぎて完投できなくなった訳ではない。
今年最優秀防御率を獲得した巨人の菅野ですら完投数は5。
もはや完投というのは先発のステータスでは無くなっている。
ただストイックに自分を追求していく黒田の求める姿とはかけ離れていたのは確かかもしれない。
家族との時間
技術的な問題や成績も引退の大きな理由なのだろうが、家族との時間を増やしたいという気持ちもあるのだろう。
メジャー移籍後は家族と離れ、単身赴任で望んでいたらしい。
7年間というメジャー生活。そして日本復帰後も日本中を飛び回る生活。
そうなれば家族との時間は自然と少なくなっていく。
まだ子供が大きくなり切らないうちに一緒に過ごしたい。父親としてはまっとうな理由だと思う。
黒田の引き際
何はともあれ、ここまでカッコイイ引き際を歩んだプロ野球選手はいないのではないだろうか?
メジャーの高額オファーを振り切り、広島カープへ男気移籍。
そしてチームの大黒柱前田健太が無くなった穴を必死に埋め、チームを25年ぶりの優勝に導いた。
全て順風満帆で黒田ストーリーは終わりを告げる。こんな幸せなプロ野球選手は過去を振り返っても一人もいないだろう。
いやまだもう一つ大きな仕事が黒田には残されている。
シーズンを制覇し、クライマックスシリーズを乗り越えた先に待っているのは日本シリーズ。
ここで豪快に北海道日本ハムファイターズを退け、日本一に輝き。広島もしくは北海道の空に黒田の身体が舞い上がる。
そしてグランドフィナーレを迎える。もう2016年は黒田のためのシーズンと言ってもいいだろう。
完璧な幕引きのために後数試合全てを出し尽くして欲しい。