まさか!鈴木尚広が引退?嘘だろ!嘘だと言ってくれ。
嘘ではなく真実のようだ。
代走のスペシャリスト鈴木尚広が今シーズン限りでユニフォームを脱ぐ。
巨人のリーサル・ウェポンがまた1つ無くなることになってしまうようだ。
鈴木尚広が引退
引退の理由
現役を自ら退くときには様々な理由がある。
ハマの番長三浦大輔は、勝てなくなったから。とその理由を語った。
巨人からメジャーに移籍した松井秀喜は、自分が思うようなプレイが出来なくなったからとユニフォームを脱いだ。
三浦や松井は全盛期の姿とはかけ離れていく自分の姿を知り、このままではチームに迷惑をかける若しくは戦力にならないという思いから現役を退いた。
一方王貞治や江川卓は、傍目から見るとまだまだ出来るのにと思われる数字を残しながら辞めていった。
メジャーリーグのデービッド・オルティーズも今年打点王を獲得しながらも引退を決意した。
鈴木尚広もまだまだ出来るのに!もったいないよ!と思える形で現役を離れることになった。
本人は、「生半可な気持ちでは続けられない」とコメントしたが、体力ではなく気持ちが折れてしまったのかもしれない。
鈴木の功績
代走のスペシャリスト決して華々しい記録は多くない。
ただ今年は10回盗塁を試み10回成功。成功率100%という驚異的な記録を残した。
そして唯一誇れる記録とすれば、盗塁成功率829。
これは200盗塁以上を記録した選手の中では歴代1位。
偉大なる記録を残すことができたのは地道な努力の積み重ねの成果だろう。
2度と現れない
強打の4番打者。
絶対的なエース。
圧倒的な守護神。
脅威のリードオフマン。
このようなタイプはいずれ現れるだろう。
しかしゲームの終盤、一人で点をもぎ取ることが出来る代走の神という選手は、今後二度と現れないのかもしれない。
代走だけで年俸6000万円を稼ぎ、代走だけでオールスターに出場した。
こんな選手は鈴木尚広以外に一人もいない。もう絶対に出てこない超レアキャラなのだ。
ドラフトで指名されプロとして入団するような選手は皆、高校時代、大学時代、社会人時代はそれなりのスター選手のはず。
入団前はみんな大きな夢を抱いてプロ入りする。
絶対にエースになってやる!絶対にレギュラーになってやる!絶対にタイトルを取るような選手になってやる!
んがしかし、入団すると目の前の現実に驚愕することになる。
今まではチームメートの中で一番野球が上手かったのに、見回せば自分より上手い選手ばかり。
こんな選手達の中でどうやって自分をアピールすればイイのだろうか?
そして選手達はみんな自分の立ち位置を知り、なんとか自分が試合に出られるポジションを探し続ける。
とはいえ、守備固めや代走になるために日々努力しているわけではない。レギュラーを目指してなんぼだから。
それでも鈴木尚広は、代走という仕事にプレイドを持ち、代走という仕事がチームにとってどれだけ価値があるかを日本プロ野球界に知らしめることが出来た。
偉大なる功績だ。
その代走の神鈴木尚広の最後のプレイは、あの悪夢のような牽制死。
しかしこれも順風満帆ではなかった鈴木尚広らしい終わり方なのだろう。
数々の勝利をプレゼントしてくれた神の足を俺たちは決して忘れない。ありがとう鈴木尚広。