中日ドラゴンズの落合博満氏がGM職を剥奪されることになるようだ。
契約自体が来年の1月のようなので、契約は満了なんだろうが、実質上はクビだろう。
ところで日本ではまだ馴染みのないGMという制度だが、NPBにおいてGMと言うのは一体何をすればいいのだろうか?
GM
落合GM
中日の監督を務めていた落合がGMに就任したのは2013年のオフ。
その後の成績は4位、5位、6位と年々下がっていく一方。
大胆な年俸削減、大胆な人員カットなど強硬策を打ち出した落合GMだが、その思いとはウラハラにチーム力はどんどん下がっていった。
社会人、大学生といった即戦力に特化したドラフト戦略を取ってきたが、その戦略も裏目。
若手も育たずベテランも機能しない。
落合が監督時代に築き上げた強い中日は影を潜め、何の特徴もないチーム方針が見えてこない球団になってしまった。
さらにそんな落合GM構想に反旗を翻す選手達も多くなっている。
FA権を獲得した平田や大島がFA移籍をチラつかせているのも反落合という思いがあるのではないだろうか?
結果が出ない上にチームを分裂させている。それではいくら落合ほどの実績がある人物でも、中日はこれ以上かばいきれないだろう。
日本とメジャーに違い
そもそもGMという制度は日本でも定着するのだろうか?
メジャーでのGMは、球団の最高権力者。
球団の経営から中長期的なマネージメント、計画に基づいた首脳陣の形成や選手の獲得など。
広い視野に経って球団をまとめ上げる責任者。まぁ早い話が社長さん的な役割。
メジャーのGMは、元々自身も選手として活動していた人もいれば、全くの畑違いで弁護士や経営者などが務める事もある。
一方の日本のGMは、落合GMを始めDeNAの高田GMも元選手で監督経験者。
恐らく今後も日本のGMに弁護士や経営者がなることは考え難いだろう。
つまり日本のGMは、球団の経営云々ではなく、ただチームを強くするためだけの役割になっているのではないだろうか?
経営と采配
昨年楽天イーグルスの監督を勤めたのはデーブ大久保。
大久保は、西武から巨人で活躍し引退後は、その指導力が認められ西武の打撃コーチとして活躍した。
しかし色々と問題をおこし、楽天のコーチに就任。
通常なら監督になるような流れの人物ではなかったが、楽天のオーナー三木谷氏は大久保を監督にした。
世間でいろいろ噂されているが、どうも三木谷オーナーはもっと現場に口出ししたかった。
だから使いやすい大久保を監督にしたのではないか?
現場を取り仕切るのは監督の役目。戦術にまでオーナーやGMは口を出してはいけない!
と言うが、チームはそもそもオーナーのもの。オーナーが口出しすることは組織上否定することは出来ない。
普通の会社だって、現場責任者がこうするんだ!と言っても社長の一言ですべて変えられてしまうことはよくある話。
今回落合GMが失敗したのは、NPBの中途半端な位置取りによるものなのではないだろうか?
球団の経営から戦略まで一本道でマネージメント出来る体制。そんな体制が出来れば日本にもGM職という制度が根付いていくのかもしれない。
が今回の落合GMの更迭劇を見ると、日本球界がそんな風潮になるまではまだまだ時間がかかりそうだ。