25年間優勝から遠ざかっていた広島カープがついに優勝した。
そしてパ・リーグは現在熾烈な首位争いが繰り広げられているが、現時点で首位に経っているのは北海道日本ハムファイターズ。
両球団に共通しているのはFA制度で選手を獲らないという姿勢。
ということはFAで選手を補強しないほうがチームは強くなるのだろうか?
FA補強
主力選手の流出
日本でFA制度が導入されたのは1993年。
23年ほど前になるということは、広島が優勝したのは25年前なので広島が優勝できなかった1つの要因はFA制度だったことが伺える。
確かに広島からは多くの選手がFA制度を利用し他球団に移籍していった。
川口、江藤、金本、新井、黒田、大竹。
現在監督を務める緒方も当時の巨人長嶋監督からの熱烈なオファーを受けてFA移籍するか騒がれていた選手。
しかし緒方はカープ愛を貫き、結果自身はその後チームを優勝に導くことは出来なかったが、監督になり見事に優勝を手にすることができた。
例えFAで主力選手が流出してしまっても、その分若い力がその穴を埋めてくれることが今年の広島と北海道日本ハムで立証される形になったようだ。
FA移籍の今後
FAで移籍した選手で、元のチームよりも移籍先のチームで顔となって活躍している選手は意外と少ない。
広島から阪神に移籍した金本、横浜からソフトバンクに移籍した内川、ヤクルトから北海道日本ハムへ移籍した稲葉くらいだろうか。
さらに巨人に移籍した小笠原や昨年から輝きを取り戻したロッテの涌井辺りも入ってくるだろうか。
それ以外の多くの選手は期待はずれで終わっているケースが多い。
ただでさえFA制度はリスクの大きい制度。
一昨年広島から巨人にFA移籍した大竹の人的補償として広島に移籍した一岡が活躍した事は、FA制度の危険性を顕著にした例。
FAで選手を獲得しても活躍するケースは少ない。
しかもプロテクトから漏れた有望な選手を流出させてしまう危険がある。
そしてFAで選手を補強しない球団が優勝してしまう。
こうなれば今後のFA市場が尻すぼみになっていってしまうのは、避けられないのではないだろうか?
ドラフトとFA
本来選手のチームとの契約は自由に行われるべきだし、チームに一定の貢献をした選手はチームを自由に選ぶ権利があっていいはずだ。
どうしてもこのチームに入りたい。
しかしドラフト制度があるので好きなチームには入れない。
それじゃ一旦指名されたチームに所属して、数年間活躍したらFAを使って移籍しよう。
これは何の異論もない当たり前の姿。
だがこれも一昔前の、一定の球団だけに人気が集中していた時代の話なのかもしれない。
最近は、各球団が地域に根付いた活動をしている事、地上波中継がほぼ無くなったことにより球団の人気が平均化されてきた。
となれば、どうしてもこのチームに移籍したいんだ!と思う選手も少なくなっているのかもしれない。
一つの球団に骨を埋めるというのは悪く無い。
んがしかし、選手達が必死になって取得したFAという制度が今後有効に利用されなくなってしまうのはあまり好ましくない。
FAを使わないで優勝したチームは確かに素晴らしいが、FAと育成を融合させたソフトバンクのようなスタイルが主流になっていく方向も正しい形なんじゃないだろうか。