ドジャースの前田健太がメジャーで14勝目を挙げた。
この記録はドジャースの新人投手では最多らしく、あのトルネード旋風を巻き起こした野茂英雄の記録を抜くことになった。
海を渡ったマエケンの一年目の結果は当然のものなのだろうか?
マエケンの評価
カープのエース
名門PL学園からドラフト1位で広島カープに入団したマエケンは、高卒にもかかわらず2年目にエースナンバー18を当時のエース佐々岡から譲り受けた。
マエケンは、エースナンバーに恥じない活躍を見せ、NPBで2度の最多勝に輝く広島カープの不動のエースとして君臨した。
キレのあるストレートと、大きく曲がる独特のスライダーは各球団の脅威となっていった。
そして昨年ポスティングシステムを利用してドジャースに移籍。
入団前のメディカルチェックに引っかかったらしく、これまでポスティングで移籍した選手よりも相当安く買い叩かれ、出来高を重視した契約になったようだ。
ただ日本のファンは知っていた。
彼がメジャーに行けば、確実に二桁以上勝てる能力を持っていることを。
ドジャースでは、一人開幕からローテーションを守り続け、今ではエース級の活躍をしている。
メジャーのメディカルチェックというのがどんな検査をしているのかは知らないが、マエケンの活躍によりザルのような検査だということが立証されてしまった。
んがしかし、マエケンの唯一の心残りとすればカープを優勝に導けなかった事ではないだろうか?
メジャー移籍後に優勝
昨年広島カープは優勝候補の筆頭に上げられた。
メジャーから黒田が男気復帰し、投手力は万全になった。
若い力が伸びてきている、今こそ優勝だ!と多くのファンが期待していたが途中で失速。
結局いつもの定位置に収まってしまった。
そしてそのチームからエースのマエケンが抜けた。
当然チーム力は落ちるかと思いきや、夏前から独走を始めたカープは、恐らくこのまま順調にゴールテープを切るだろう。
自分が抜けたチームが優勝してしまう。マエケンにとっては複雑な気持ちだろう。
万年Bクラス、勝てない広島カープをずっと支え続けてきたのに。抜けた途端に優勝かよ。オレだって優勝したかった。
とそんなマエケンの気持ちが痛いほどわかるのは、同じメジャーで活躍する岩隈久志かもしれない。
岩隈はマエケンとは違い近鉄時代に優勝は経験しているが、岩隈も不遇な時代を支えてきた一人。
球団再編の波の飲まれた岩隈は、オリックスではなく新規球団の楽天に。
再編直後弱小球団だったチームを支えたのはエース岩隈。
2008年には21勝を上げる活躍を見せたが、楽天を優勝に導くことは出来なかった。
そして海外FAを取得しメジャーへ移籍。その2年後田中将大が24連勝という驚異的な記録を作り楽天は球団史上初の日本一に輝いた。
そこに岩隈の姿は無かった。
しかし広島ファンも楽天ファンもわかっているはずだ。
チームを支えてくれたエースがいたからここまでチームは強くなれたということを。
今日になるか明日になるかいずれにしろ近いうちに広島の優勝は決まるだろう。
責任感の強いマエケンは、自分が抜けたことによってチームが優勝したことを逆に喜んでいるかもしれない。
だってマエケンが育て上げた若鯉達の成果なんだから。
そしてマエケンは、日本で達成できなかった優勝を目指し、ワールドシリーズ制覇へと気持ちは向かっているだろう。