逸材を守れ!高校野球には球数制限を導入するしかない理由


夏の甲子園大会は、横浜・藤平、履正社・寺島、花咲徳栄・高橋昂と高校BIG3と呼ばれた大物投手擁する高校が、全て姿を消してしまった。

負けた試合、全てエースの3人はリリーフ登板だったようだ。

エースが一人で全試合投げきり、ボロボロになっていくような姿はもう一昔前の高校野球。

一般人ですら健康を気にするような今の時代には相応しくない。

高校野球の球数制限は?

球数なのか登板間隔なのか?

まずこの手の議論になった時、出てくる話題は球数か?登板間隔か?という話。

レンジャーズのダルビッシュは、球数よりも登板間隔を十分空けるようにと主張する。

しかしメジャーの主流は球数論。

特に若い身体の未熟な時期に、球数を多く投げるほど将来的にケガをする確率が高くなる。

そのため日本の高校野球大会には、批判的な目を向けている。

これはどちらが正しいという話ではなく、理想とすれば両方実現すべきだろう。

先発投手は、100~120球以上投げてはいけない。

そして登板間隔は最低3日以上空けること。

球数の減少と登板間隔の確保その両方が出来れば、日本の若き宝が早い時期に傷つくケースも相当減るのでは無いだろうか?

理想と現実

とはいえ、その双方を実現せよ!という意見は、日本の春と夏の風物詩甲子園大会を真っ向から否定することと、ほぼ同義だ。

高校生の夏休みは、大抵7月の後半から8月イッパイ。

甲子園大会は、あくまでも部活動の一環だから、学業に支障をきたしてはならない。

となれば夏休みに開催するしか無い。

当然スケジュールも過多になり、投手の登板間隔も短くなる。

それならばドーム球場で開催すればイイじゃないか・・・という意見に同調する人は少ないだろう。

夏はやっぱり灼熱の甲子園で戦うからこそ盛り上がるのだから。

登板間隔を広げることは難しいのであれば、球数制限を早く導入すべきだろう。

既にWBCでは球数制限を導入して開催実績もある。

実績があるのであれば球数制限の導入に大きな支障はないはずだ。

ただ球数制限を導入すれば、エース一人で勝ち上がるとう図式は難しくなる。

エースだけじゃなく、2番手、3番手の投手が必要になるため、選手層の薄いチームは苦しくなり、選手層の厚い名門校が強くなるかもしれない。

弱小高校がスーパーエースの活躍だけで一躍甲子園の優勝を争う。そんなドラマは確かに面白い。

ただ面白みばかりを追って選手を傷付けては意味が無い。

今できることは球数制限。早期の導入を心から願う派の一人である。