広島カープの新井貴浩が中日戦でサヨナラホームランを放ちバットを放り投げるパフォーマンスを披露した。
2位の巨人も接戦を制したが、追撃を許さない独走状態をキープしている。
しかし阪神を終われ、年俸2億円から2千万円に減額してまで移籍した男は、なぜここまで復活することが出来たのか?
広島独走の中心
脅威の打線
セ界の貯金を独占し、完全に独走状態に入った好調広島を支えているのは、チーム打率2割7分という打棒。
その中心は菊丸コンビと神ってる鈴木。
そしてなんといってもベテランの新井貴浩。
ここまで打率323、ホームラン11本、打点66。
得点圏打率はなんと388。
今年はさらに2000本安打を達成し、勝負強い打撃でチームを引っ張り続けている。
一体誰がここまでの活躍を予想しただろうか?
新井の復活劇
ホームラン王1回、打点王1回という実績のある選手だったが、阪神時代の後半は正直「終わった選手」という印象だった。
三振も多く、併殺打も多い。
チャンスで新井に回ってくると敵側からみれば、ラッキーと感じるほどオーラを感じなかった。
すっかり金本のいじられキャラも定着していたし、誰もここまでの活躍は期待していなかったように思う。
広島に来て2年目、彼が復活した理由の1つにプレッシャーからの開放もあるのかもしれない。
広島ファンと阪神ファンは、どちらも熱狂的ではあるが、タイプが違う。
広島ファンは地元に密着した球団で、こう言ってはなんだがBクラスにも慣れていて、どちらかも言えば温かい。
しかし阪神ファンは、成績が出ない選手にそれほど優しくはない。
成績が出なければメディアにも叩かれるし、ファンにも叩かれる。
FAで移籍してきたんだから当然掛布や金本、岡田のような活躍が期待されたはずだが、阪神ファンにとっては物足りない。
そんなプレッシャーに人のよい新井は耐え切れなかったのではないだろうか?
もう一つの理由としては、39歳にして打撃のコツというか、何か開眼したのでは?と言われている。
あの山崎武司も終わったと思われていたが、39歳で突如として復活し43本塁打を放ちホームラン王と打点王の二冠を獲得した。
年齢を重ねることで体力は落ちるが、経験と技術力は向上する。
まさに新井は39歳にして、打撃の真髄を会得したのかもしれない。
このまま彼が好調を維持し続ければ、広島の独走はシーズン終了まで止まらないだろう。