WBCという華やかな祭りが終わり、巨人がここ数年苦しめられたタブーに向き合う時が来た。
野球賭博行為への関与が判明し、NPBを失格処分となっていた高木京介との再契約。
果たして高木京介は、巨人という球団に戻ることが出来るのか?完全復活する事が出来るのか?
高木京介との再契約
高木の行動は?
一昨年、突如野球界に放たれた文春砲はNPBの盟主読売巨人軍に致命的な打撃を与えた。
現役プロ野球選手、しかも巨人に所属している選手が野球賭博に関与していた。調査を進めると薄い関与ではなかった。ズブズブだったのだ。
一人の主犯格の名前が上がると、その後数目関与していた選手の名前が上がってくる。
お願いだからこれ以上出てこないでくれ。もうこの辺でやめてくれ。
と思っていたところ、最後の関与者として名前が上がったのが高木京介。
高木京介の関与具合は、他の数名とは異なりほんの出来心程度のモノだったようだが、決して許される行為ではない。
高木京介は記者会見で大粒の涙を流し謝罪した。
その姿を見ていると胸が痛くなったものだ。野球ばっかりやって来た、こんな純粋な野球バカが、なんで野球賭博なんて誰でもわかるようなあり得ない行為に手を染めてしまったのか?
なんで事の善悪すら判断がつかなかったのだろうか?
復活できるのか?
高木京介が犯した行為は、他の選手とは異なり、関与が薄かったと判断されたのだろう。高木は永久ではなく1年間の失格処分を言い渡され、巨人との契約を解除された。
プロ入り5年目。1軍のセットアッパーとしてバリバリ活躍していた26歳という年齢で1年間失職することとなった。
果たして高木京介は失格前のような姿を見せる事が出来るのだろうか?
もちろん、コミッショナーが申請を受理し、巨人が契約を結んでくれたらという前提ありきなのだが、ハッキリ言って復活するには相当な決意と努力が必要だろう。
失格処分を受けた後の1年間。身体は健康なのにフィールドに立つことが出来ない。
しかも1年間経過すれば、すんなりと再契約できる保障なんてどこにもない。
自分が犯してしまった罪の大きさと、先行きの見えない不安の中で、この1年もがき苦しんでいた事だろう。
そんな状況で万全のトレーニングなんて積めるはずがない。
常に好奇の目に晒されながら、1年間生きてきたはずだ。
もしこの状況で、プロに所属している選手と同様のトレーニングを積めたのであれば、尊敬に値する。
失格処分にならなければプロ入り5年目で26歳。仮に1年間2軍ぐらしだったとしても、その1年間は次の1年につながる大きな1年になったはずだ。
だが高木京介は、1年間完全に足踏みをしてしまった。
この状態で育成契約の枠を飛び越え、支配下登録を勝ち取り、1軍まで成り上がり、分厚い巨人の投手陣の1枠をもぎ取る。
とてつもなく、遠い道のりだろう。
何もなければ、今年もその場所にいたはずなのに。軽率な行動さえ無ければ、当たり前のようにあった場所が、今は遥か彼方へと離れていってしまった。
これから高木京介が歩く道は茨だらけの道になる。だがこの道の先にしか復活へのルートはない。
己の罪を受け入れて、あえて火の中に飛び込むしか無い。
高木京介!君が1軍のマウンドにたどり着き、勝利に貢献できた時、その時が本当の禊が済んだ瞬間だろう。