キャンプ、紅白戦、練習試合、オープン戦と持ち前のスピードを駆使してアピールを続けている重信慎之介。
ドラフト2位で入団したプロ2年目の重信だが、巨大な戦力の中に隠れ既に正念場を迎えている。
果たして身長173cmの小柄な重信が、並み居る大砲の中で存在感を発揮することは出来るのだろうか?
重信慎之介がレギュラーになるには?
スピードだけでイイのか?
巨人の外野陣は群雄割拠。
FAでやってきた陽岱鋼。キャンプでコンディション不良のため3軍での調整となったが、徐々に調子を戻してきている。
となればセンターのレギュラーは陽岱鋼で決まりだろう。
そしてライトには長野久義がいる。
レフトはこちらも今年が正念場の岡本がギャレットからレギュラーを奪い取るため必死にアピールを続けている。
さらに控えには亀井、立岡といった実績豊富な選手達も控えている。
となれば、重信に与えられた椅子はない。
こんな奴らと対等に戦っても勝ち目はない。
重信が存在感を示すためにはとにかくスピード。足の威力を首脳陣に植え付けなければならない。
もしセカンドにマギーというピースを当てはめた時、巨人は野球盤のような機動力の一切ない打線になってしまう。
そんな時こそ、小粒な重信がアクセントとなり、機動力を絡めた野球ができれば貧打に悩む巨人に新たな攻撃のパターンが生まれる事になる。
重信自身それは重々承知しているのだろう。
ここまで実戦7試合で6盗塁と自分のアピールポイントは必死に訴えている。
だけど・・・開幕が近づくと由伸監督は打てる選手を優先的にレギュラーに抜擢するのでは無いだろうか?
だからこそ重信君、スピードだけじゃなく打力に磨きをかけるしか生き残る道は無いのだよ。
重信が2番に座った場合、必ず訪れるシチュエーションがある。
8番小林から始まる打線。
小林がヒットで出塁。9番ピッチャーがキッチリと送りバントを決める。
さぁ1、2番でなんとか返そう。
だが残念ながら1番陽岱鋼は空振り三振。
ツーアウト2塁。
バッターは2番重信。
各球団は長打力のない重信に対し、外野も内野も浅めの守備位置を取ってくる。
直球に押し込まれる重信が苦し紛れで外のボールにチョコンと合わせた打球は、なんとかショートの頭を超えるが、前進守備のセンターにあっさりと捕られてしまう。
こんなシーンで強引に引っ張り右中間を破れるような打球が打てるようになれば、重信の存在感は一気に上がってくる。
もちろん最大のアピールポイントはスピードなんだが、内野安打と単打だけでは巨人のレギュラーの座は掴めない。
あと少し、もう少し、パワーさえ身に付けば、まさかのFA移籍の陽岱鋼を押しのけてセンター重信が現実味を帯びるかもしれない。