フィリピンの英雄マニー・パッキャオが復帰戦でWBOウェルター級王者ジェシー・バルガスを下し、新王者に輝いた。
引退宣言をわずか4ヶ月で撤回して臨んだ37歳のパッキャオは、今後いつまで現役を続けるのだろうか?
果たしてメイウェザーとの再戦は実現するのか?
マニー・パッキャオ
奇跡の6階級制覇
鉄人パッキャオは一体いつまで戦い続けるのか?
パッキャオがプロボクサーとしてデビューしたのは1995年。もう20年以上も前になる。
衰えを知らない37歳はこれまでも驚異的な飛躍を遂げている。
パッキャオが最初に世界チャンピオンになった階級はフライ級。
体重で言えば48キロから50キロくらいの小柄な選手が戦う階級である。
日本では井岡一翔が三階級制覇を達成しWBA世界フライ級のタイトルを獲得した。
他に有名どころで言えば亀田三兄弟の亀田興毅、亀田大毅もフライ級で戦っていた。
井岡や亀田の身長は160cm台。背の小さい小柄な東洋人が世界チャンピオンになりやすい階級。
しかしパッキャオは、その階級から徐々にというか一気に階級を上げていき、最終的にウェルター級の王者にまで登りつめ、6階級制覇を達成した。
ウェルター級の体重は63キロから66キロ。
パッキャオは20キロ近い増量に成功し異次元の6階級制覇を達成しているのだ。
井岡の三階級制覇は、ミニマム級、ライトフライ級、フライ級で体重差とすればわずか3キロ程度。しかしこの3キロがトップレベルでは大きな差になってくるため複数階級制覇は難しい。
パッキャオは完全に常人の域を超えている。
メイウェザーとの再戦
49戦49勝と無敗で5階級制覇を達成したフロイド・メイウェザー。
フィリピンの英雄パッキャオとの対戦は世紀の一戦と呼ばれ、チケットはプラチナチケットとなり一説には数百万円で取引されたという噂もあるほどボクシングファン注目の一戦となったが、いざ蓋を開けて見ると物足りない内容となった。
いつも通り遠目の距離から突進していくパッキャオを細かいジャブを付きながら、闘牛をいなすように捌いていくメイウェザー。
派手な打ち合いもなくダウンの応酬もなく、着実にポイントを奪ったメイウェザーの勝利。戦前の予想通りといえば予想通りの結果になってしまった。
当然高額チケットを購入して観戦に行ったファンにとっては不満の残る対戦だっただろう。
とはいえ、メイウェザーは真のパーフェクトヒューマンとなり引退してしまっている。
パッキャオが復活したからと言って完璧なキャリアをわざわざ汚すとは思えない。
前回の対戦も相当マッチメイクに時間がかかったことを考えれば、対戦が実現する頃にはパッキャオは40歳になってしまうかもしれない。
引退を撤回し復帰したパッキャオは、今後どこにモチベーションを合わせて現役を続けていくのだろうか?