北海道日本ハムファイターズからドラフト6位で指名された履正社の山口裕次郎投手が入団を拒否する姿勢を見せている。
本人がドラフト4位以下の指名なら社会人行きを強く表明していたため、上位指名できなかった各球団は指名を回避。
しかし常に独自のドラフト戦略を貫く日本ハムは強引に強行指名。この戦略は果たして正しいのだろうか?
北海道日本ハムのドラフト戦略
強行指名
強行指名と言えば日本ハムの十八番。
大谷翔平の強行指名一本釣り。そして巨人愛を表明していた菅野を強行指名し交渉権獲得も入団には至らず。
さらに今回の履正社の山口投手の指名。
この戦略自体は決して悪くないだろうし、日本ハムを攻めること自体がお門違いだ。
なぜなら日本ハムはルール違反を犯している訳ではない。
ドラフトのルールに基づき正々堂々(なのかどうかはわからんが)勝負しているのだから、この行為を批判する事は出来ない。
むしろドラフトの戦略なんだから意表をついた指名は褒めるべきだし、指をくわえて見ていた各球団は自分たちの戦略を悔やむべきだろう。
残念ながら日本のプロ野球にはドラフトという制度がある。
原則日本の学校でプレイした選手達がプロ野球選手になるのなら、このドラフトという制度を経ないで勝手に契約することは出来ない。
なのでドラフトで指名されることを拒否するのならプロ志望届を出さなければ良いだけ。
山口投手の意思
とはいえ山口投手が下位の指名であれば社会人に行く!という意思なのであれば、その思いを貫き入団を拒否するべきだろう。
プロの球団がプロ志望届を出した選手を指名するのがルールなら、指名された選手は必ず入団しないとイケないというルールはない。入団を拒否することもルールに基づいた正当な行為だ。
基本筆者は、ドラフトで指名されたら特別な理由がない限りその球団に行くべきだという思いがある。
残念ながら我らが巨人軍には、長野や菅野のように指名を拒否して入団した選手が中心になっているが、本来なら指名を受けた球団に行くべきだろう。
そして自分が好きな球団に行きたいのなら、FA権を獲得して移籍すればイイ。そのためのルールなんだから。
ただ今回の山口投手の場合、特別な理由と考えていいだろう。
下位指名なら入団しないと言ってるのに指名したのはあんたの勝手でしょ。と日本ハムを振っても全く問題はない。
だって上位指名と下位の指名では契約金も年俸も大きな差があるからだ。
一昨年のデータになるが、北海道日本ハムのドラフト1位は早稲田大学の有原航平。有原の契約金は1億プラス出来高5千万円。年俸1500万円。
一方その年の6位は立田投手。年俸はわずか480万円で契約金も2000万円。
まさに雲泥の差。
安い契約金でもプロに入団し、3年後高額年俸を勝ち取るという選択肢。入団を拒否して3年後ドラフト上位で指名される選手になるという選択肢。
どちらを選ぶも個人の自由。
山口投手が後者を選ぶのであれば、堂々と入団を拒否して社会人に入団すべきだろう。